B子さんからA子さんに電話がかかって来た。用件が終ると、いつものように四方山話になった。
B「タイムスに連載されている”いさびら”は面白いネ」
A「いさびら?」
B「ええ、”いさびら”ってどういう意味か知らないが内容は面白くてためになるわよ」
A「そういう記事があったかしら」
B「ちょっと待って! そうそう○月○日の新聞見てごらん」
A子さんは新聞を見てびっくり、「物語いさびら」の記事の事をいっているのだ。方言のよくわかる人なら「ムヌガタイ、サビラ」と読むであろう。まだ30代で、しかも方言にうといB子さんはこれを「物語、いさびら」と読んでいたのだ。
A子さんは笑いをこらえて説明をしたところ
B「へぇ! そうなの、私、恥ずかしいワ……。でも(ムヌガタイサビラ)ってどういう意味?」
A「???」
これは単なる笑い話ではなく最近の実話である。
50年程も前の教科書に「牛若丸」というのがあった。「弁慶がなぎなたを持って…」というのを「弁慶が、なー、ぎなたを持って」と読むのを弁慶読みといっていた。
当時の子供達は「弁慶は牛若丸に負けました」というのをもじって「ウシー 、カマルーに負けました」とよくふざけあっていたものである。
これは標準語励行を唱えていた頃の笑い話であるが「いさびら」は全く正反対である。方言がわからない、話せない世代が増えてきたという事で、まさに方言喪失のピンチではないだろうか。(前)
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|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008439 |
| 内容コード | G000000539-0010 |
| 資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
| 資料グループ | 広報さしき第113号(1987年1月) |
| ページ | 7 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 佐敷 |
| 発行年月日 | 1987/01/10 |
| 公開日 | 2023/11/17 |