10月○日
津波古に住むBさん、神経を病んで寝たきりとなってもう15年あまり。治癒を願ってはじめのころは病院をいくつか回りましたが、望む結果が得られず以来医者にかからずじまいです。
70歳近くになるそのBさんですが、病状が進行していないのです。それもそのはず、お嫁さんの看護が専門家でも感心するほど行きとどいているのです。寝具や衣服はもとより清潔さを保ち、患者の毎日の清拭など衛生面にとても気をつけています。
起きることの全然できないBさんですが、肌の艶もよく、とても清潔な患者さんです。看護するお嫁さんは、毎日の努力だけでなく、患者さんを人目からかくすようなことは絶対しません。明るい部屋で、誰とでも会えるようにさえしているのです。
本当の親子のようなBさんとお嫁さん、寝たきり看護のモデルです。Bさんの病状が進行しないのは、お嫁さんの愛情のあらわれと思いました。