9月9日の手登根をかわきりに実施されている集落入りの民泊説明会は、地域住民の協力もあって大きな成果を上げています。
海邦国体秋季大会開催時には、本町は軟式野球少年男子チームが民泊することになっており、その態勢づくりが急がれる中、この民泊説明会は住民の関心を高めるだけでなく、民泊実施の意義も広めています。
民泊は、全国各地の人たちとのふれ合い、交流を深め、さらに本町の良さ人情の深さを知ってもらうことができるものとあって、各説明会の参加者は、前催県の民泊実施の状況や、本町の民泊実施計画の説明に熱心に耳をかたむけていました。
本町には、16チーム、約170人が民泊することになっており民泊家庭は40軒ぐらいが必要と っています。1軒あたり、3、4人の選手が民泊する計画となっており、また、本町では、共同調理方式を基本とした民泊計画が立てられています。国体標準献立の講習も実施されており、食事も各民泊家庭で出す「完全民泊」も同時に計画されており、受け入れ家庭の希望もつのられています。
17回にわたる集落入り民泊説明会には、平均して25世帯の参加があり、町国体実行委員会では関心の高さにうれしい悲鳴を上げています。現在、民泊希望家庭はふえ続けており、本年中には目標に達成することが予想されます。
国民体育大会を支える一方の柱であり、また、沖縄の良さを全国に伝える民泊は、国体成功の鍵をにぎるものであり、更なる町民の皆さんの協力が期待されます。
民泊実践記録⑭「わかとり国体」鳥取
すべてを終えて 稲荷 西村久乃
第40回の記念すべき「わかとり国体」を迎えるに当り、あと何日、あと何日のカレンダーとにらめっこの2年間でした。
どうにかしなくては、何とかしなくては……、と。引き受けた当時は、1人居のわび住いのこととて、毎日が不安でありました。
4月、ようやくにして家族も揃い、若者の手伝いも受けられそうな予想もつきましたが、婦人会のことやら、何かと用事に追われる毎日で、あれもこうしておこう、これも……と。心は先々に行きますが体はついてゆけず、からまわり。
村では区長はじめ、いろいろの団体の役職者を主軸とする実行委員会が作られて、花づくりは土づくりから始められ、また歓迎のための大掃除から公民館の修理、横断幕作り、幼児から大人まで踊りのけいこ、接待係の出役番組など、料理講習やら村をあげてのムードはいやが上にも高まりました。
私自身は大したこともできぬままに、ただ大水に流される如くに日は過ぎて、アッ!!という間に終った感じです。
私宅にお世話させていただいたのは、少年野球の選手で、風呂に入っても湯をかけ合って遊んだり、好きに水を出して入ればよいといえば手をたたいて喜んだり、好きなものが出されれば取りっこするような、まだあどけなさが残っているような少年達でしたから、今度勝っていくためのアドバイスを1つだけ致しましたら「痛い!!」と頭をかかえて逃げだしました。私は少し厳しかったかな? と思いましたが、帰宅して数日後には「よく考えて、これから努力して改めます。かいじ国体、沖縄国体にもがんばって出場しますから、新聞で、テレビで見て、キット応援してください」と、ハッキリといって、お礼の便りをよこしてくれました。読みながら胸にジーンと熱いものを感じました。
私は、国体のすべてを終ったいま、静かにふり返ってみますと、親類縁者でもない人々との束の間の出会いの大切なことを今さらながらしみじみと感じております。