なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい30  糞喰え山原

昔は、ヤンバル(山原・北部)の人々をべっ視して「枯木山原、クスクエ(糞喰え)ヤンバラー、見る方やねえらん海と山と」などと軽べつしていた。
現今の那覇、首里や南部は、緑や樹木も少なく、コンクリートジャングルといわれている。これにひきかえ北部は、多幸山の琉球村をはじめとし、ムーンビーチ、万座毛、万座ビーチホテル、海中展望台、瀬良垣ビーチ、名護市南城の桜、瀬底大橋、渡久地大橋、海洋博記念公園、アクアポリス、熱帯ドリームセンター、宜名真トンネル、東村のツツジ園等々、沖縄一周東海岸道路も完成して沖縄観光産業の一翼を狙う。沖縄経済のチャンピオンにのし上がったヤンバル。あわれ昔威張った南部は、顔色なしの現状だ。
昔の沖縄は貧しくて、山原などでは塩、味噌を作る材料を買う金がなく、ウス(潮)を汲んで味噌や塩代りの味付けにしていたこともあったという。世界のどこの国に糞を喰う馬鹿が居るか、「ウス喰え山原」なら納得もいく。「糞喰え山原」は、「潮喰え山原」の転語だと思う。
閑話休題。
日本本土にも「下手の横好き」という言葉がある。下手は真正面を突けないので「下手の横突き」で、また「果報は寝て待て」も口をあけて寝ていてはヤモリの糞が落ちてくるのがオチ。「果報は錬って待て」が本来ではなかろうか。
「汗の結晶」も、汗をかいた後に皮膚の表面に塩をふくので、「汗の結塩」というべきではなかろうか。私のやぶにらみ根性のひとりよがり、老骨の空言だろうか。
放言多謝。(馬天 順)

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大分類 テキスト
資料コード 008439
内容コード G000000536-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第110号(1986年10月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1986/10/10
公開日 2023/11/17