なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい㉗ 物騒な話

5、60年前、沖縄から出稼ぎのため大阪に行ったA青年の話である。Aさんは魚屋でヒート(イルカ)を仕入れて売りに行く事になった。
住宅街で「ヒートの肉はいらんか」と大声で呼びかけた。これを聞いた人々は「大変だ!。人の肉を売っている」と大騒ぎになった。
間もなくかけつけて来た巡査は「何っ!人の肉?」「ハイ、ヒートの肉です」「その箱をあけてみろ」と大変な剣幕である。青年は悠然と箱をあけた。
「なーんだ。これは人の肉じゃない。イルカじゃないか。変な事言うとブタ箱にぶち込むぞ」と怒られてしまった。大和口(ヤマトウグチ)の達者でないこの青年はきつねにつままれた様な顔をして巡査の顔を見つめていたが、再び箱を担いで「イルカ、いらんか、イルカ、いらんか」と大声を出したので今度は巡査のほうが目をパチクリ……
最近のある婦人雑誌の読者欄に次のような記事があった。
スーパー(沖縄ではない)に買物に行ったら、立礼に「人肉」と書いてある。おそるおそる近ずいて見たら、なんとそこには「にんにく」がならべられていた。「何と人騒がせな」と思ったが急いでいたので買物をすましてそのまま家に帰った。
どうも気になって仕方がないので翌日そのスーパーに行って見たら立礼はちゃんと「にんにく」に直されていたという。
罪のない小話であるが、ちょっとした手違い、感違いで大騒ぎになる事もあるのでくれぐれも御用心の程を!(MN生)

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大分類 テキスト
資料コード 008439
内容コード G000000532-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第107号(1986年7月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1986/07/10
公開日 2023/11/17