本町にある土帝君のなかでも、ひときわ目を引くのがこの字津波古のものです。木組みや彫刻などに技巧がほどこされており、歴史性だけでなく建造物としてもその文化財的価値を高めています。
字津波古の土帝君は、大正の中頃までは石の祠形でしたが、首里の寺寺から十二支の守り神を分祀しながら、木造、赤瓦葺きに改築されました。第二次大戦の戦災で、この土帝君はおしくも消失してしまいました。
現在のものは、1950年代に前記の東方150メートルの丘上に敷地を求め新築されたもので、三方粟石稽みの赤瓦葺きです。旧歴2月と8月に土帝君の祭りがあり、毎月の行事のときにも「御願」が行なわれます。石段とマッチした姿が独特の雰囲気をかもし出しています。