円高、ドル安の波紋が今や大波となってわが国の経済界をゆるがしている。この動きには、円高による差益還元という良い面と、玩具製造業やその輸出業者などの人々にみられるドル安による差額欠損で受ける打撃という悪しき面の2通りがある。
広大な米軍基地をかかえるわが沖縄においても、米軍、米兵を相手とする各種業者が、今回の異常ともいえる円高、ドル安による打撃をもろにかぶっている。先ごろ沖縄市の商店主たちの苦悩ぶりがマスコミ等で取り上げられていたのですでにご存じの方も多いかと思う。
今や円高、ドル安の影響はさまざまな方面に至っている。危機感も次第に高まりつつある。
輸入枠が漸次拡大されている農産物をとってみてもその影響は否めないものとなろう。なぜならばこれまで以上安く輸入され、国産農産物をおおってしまうことにもなりかねない。消費者に差益が直接還元するのであればこれにこしたことはないのだが、その前にわが国の農業が大打撃を受けてしまうことになりかねない状況にあるといえる。
農業を基幹産業とするわが町においては、こうなったとすれば大事である。幸い直接の大きな影響はまだみえていないし、また、土地改良をはじめ農業近代化、合理化へ向けての事業が着実に推進されている。円高、ドル安の大波をはねかえし、本町の飛躍的発展のためにも農業基盤整備はより以上強力に進めなければならない。(収入役)