第2部 テーマ
さわやか佐敷健康づくりの展望 健康で、明るいまちづくりをめざして
昭和55年より本格的な健康づくり事業をスタートさせた本町は、「自分の健康は自分で守る」をスローガンに、健康体操の普及にみられるような町民の自主的、地域ぐるみの取組みを様々な方面において展開してきました。
いま、本町は、全国的に「健康町」「長寿町」として評価を受けています。このような本町の健康づくり事業を、さらに推進するためのシンポジウムが行なわれました。これまでの在り方が総点検され、より以上の結果をめざし、専門家、担当者の意見発表をはじめ町民の要望などが出されました。
まちづくりの大きなステップとなるシンポジウムでした。
■特別講演■
杏林大学医学部教授 古見耕一 成人病対策は子どものときから
成人病は、子どものころからをの素地がつくられています。その意味では、母親の栄養に対する意識の高揚が何よりも必要です。最近のインスタント食品の普及や外食を多用する家庭が目立ちますがこれは大へんに危険なことと考えます。ガンや高血圧といったものでの死亡の増加は、決して無縁ではないと思います。
栄養のバランスを考え、先人がつちかって来た食生活を見直していくことが今こそ必要ではないでしようか。海の幸を生かし、野菜の栄養に対する役割を考えていかなければなりません。自然を食するといった気持ちを忘れないで、健康を生んでいく食生活の確立が肝要といえます。
町企画室長 与那嶺紘也 まちづくりの源泉
健康づくりは、まちづくりの一環です。本町のその取組みは、今や着実に輪を広げ地域に定着しているといえます。多くの町民がそれぞれに合った形で健康づくりに取組み、その活動は、健康づくり事業の先進地として大きく評価されております。
住み良いまち、明るいまちをめざした町民の皆さんの取組みは、まちづくりの大きなエネルギー源となっております。
町住民課長 志村政子 行政、住民一体で
本町の健康づくりの目ざすところは、個々人の健康保持増進に加えて、町全体の健康的なあり方の追求にあります。またハ地域に合った健康づくり、生活環境面の整備といった健康づくりが進められております。 「自分の健康は自分で守る」というスローガンは、意識面で大きく貢献しているものと思います。行政と住民が一体となった健康づくりを更に進展させていきたいと考えております。
町保健婦 外間千佐江 施設の効果的利用を
地域に密着した保健衛生活動を進めておりますが、体制面での若干の弱さは否めません。地域の協力や保健推進員の協力が本町の健康づくり事業の推進に大きく働いております。体制面の強化に加えて、施設の充実、効果的な活用が今後の課題と考えます。保健衛生思想の徹底、充実は、今後も強力に推進し、基盤、基礎をさらに強化する必要性を感じております。
防衛医大助教授 一ノ渡尚道 健康は町全体のもの
長期に亘って佐敷町における健康づくりに協力させていただいてますが、意識面の拡がりには目をみはるものがあります。地域住民の目に見えない協力が大きな力となっています。大きな事業を強力に進めることも大切ですが、個々人の取組みを大切にし伸ばしていく工夫がより必要ではないかと感じています。健康は個人の問題であり、町全体の問題なのです。
杏林大医学部教授古見 耕一 質の向上を……
健康づくりがまちづくりのひとつのテーマとしてあげられるということは、いかにも佐敷町という感じがします。保健推進員の方々の努力にみられるように、地道な活動が今生きていると思います。
保健衛生に関しての体制づくりは器をつくるだけではなく、意識面の強化が肝心です。佐敷町はそのはその面をさらに仲ばし、質を高めていくことが大切です。
町健康づくり推進協会長瀬底正俊 地域社会全体で
人生80年時代に向けた健康の保持増進は、単に個人の問題ではありません。町全体として考えていく必要があります。健康なまちづくりは、町民一人ひとりの課題であり、地域社会が一体となったものでなくては成果をあげることはできません。ハード、ソフト両面において今後も努力していかなければならないでしょう。健康づくり諸下業に頼ることなく、自己の健康を創していくべきです。