暴言多謝
晩酌のアルコ-ルが動脈をかけめぐり、老顔に血気が漂い童顔になりかけたころ、突然差し向いの老妻が「あなたお年はいくつですか」と尋ねてきた。
「お前と同じ明治45年生まれの数え74歳ではないか」と晩酌のコップを口にしたまま答えたら、老妻は続けて「広報さしきの〝くしゆっきい〟欄への投稿は子や孫たちの恥です。あなたはモウロクしているんですか」と。
年甲斐もなく、大人げない、いつまでも若い気でいると世間からは軽く見られますよというのである。また、年寄りは年なりに、全てを若い世代に任せ、周囲から諸事、世情を自ら進んで聞いて学んでいくことが大切である、と。
老妻のことばは続く。「年寄りと釘は引っ込んだ方が、自他に無難です。あのような駄文で広報の品位を落していたら町民に迷惑をかけます。苦情の投書がないうちに引っ込むべきです。あなたは僅諺、格言はよく口にするが実行力に乏しいのが玉にキズ。老いては子や孫に従えとのこともあります。
家族や子、孫のためにも襟を正してまじめな文章は書けないものなのか。あの信天翁(アホウドリ)は本当に阿呆になったのでは」。
老妻のこの苦情に返す言葉はなかった。素直に「これから私は貝になるよ」と老妻に誓った。貝になる以上、当然、当分は筆も折らなければならない。愛着のある本欄であるが、老妻の忠告に従うことにする。
きょうまで多々町民の皆さまにご迷惑があったかと存じますが、なにとぞ悪しからずご寛容ください。本欄を借りまして不取敢お詫び申し上げます。 (平良亀順)
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|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008438 |
| 内容コード | G000000519-0009 |
| 資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
| 資料グループ | 広報さしき第98号(1985年11月) |
| ページ | 5 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 佐敷 |
| 発行年月日 | 1985/11/10 |
| 公開日 | 2023/11/09 |