第38回佐敷町議会定例会が昭和60年9月25日から10月1日までの会期7日間で開かれました。
開会冒頭山城町長は、4期目の町政を担当する決意を述べ、町民福祉の向上に積極的にとり組んでいくことを強調しました。今定例会では町長提出の議案が13件ありましたが、1件が閉会中の継続審査となったほかは、すべて原案のとおり可決されました。
陳情7件のうち2件は採択、5件が継続審査に付されました。そのほか議員から提出された意見書決議など4件が、全会一致で可決されました。
30日の一般質問には7人の議員が発壇し、町政のさまざまな問題について、活発に理事者の考えをただしました。
今定例会では、国民健康保険高額医療費資金貸付条例という新しい条例が制定されました。これによって、高額医療費の支給を受ける見込みのある世帯に、貸付基金から最高30万円まで貸付けができるようになりました。
決算は、金銭で見積もられた予算が、物品、財産、労働に形をかえて、住民の福祉の向上にどのような成果を収めたかの清算書でもあります。町の4つの決算について、議会では納税者の立場から細部にわたって厳しく審議されました。その結果、59年度の国保会計、老人保健会計、水道事業会計の三決算がそれぞれ全会一致で認定されました。なお、一段会計歳入歳出決算は、閉会中の継続審査に付されました。
7人の議員が発壇した一般質問では、ガイダーの異常発生、町陸上競技大会の中止問題、港湾整備、日の丸、君が代問題など町政全般について、活発な論戦が展開されました。
海邦国体の成功を期すため、議会に国体調査特別委員会が設置されました。委員会は先催県を実地に調査、研修する予定です。
町長就任のメッセージ
手を取り合い佐敷のために 佐敷町長 山城時正
町民が主人公の町政運営で、更なる町勢の発展をめざし、町長選挙に立候補いたしました。
町民の皆さまの深いご理解と多大なるご協力により、無投票当選という光栄を受け、4期目の町政を担当させていただくことになりました。
私は、町民の暮らしと平和を守ることを基本理念に町の発展を願い、町政運営に微力ながら全力を尽してまいりました。
この間、町民の皆さまの町政運営に対する数多くの、献身的なご協力をいただき、わが佐敷町は着実に発展してまいりました。まちづくりにかける町民の皆さまの情熱とご努力は佐敷町にとって大きな活力、偉大なる財産と申してよいでしょう。町政を担当する者にとってこれ以上の力はございません。
私は、常々「町発展の礎は町民の和によって築かれる」と信じています。町民がふるさとのために一丸となったとき、どれほどの力を発揮するものであるかは、先般の国立厚生年金総合老人ホームの誘致決定が証明してあまりあるかと思います。
このような町民の皆さまの和をバックボーンに、虚心担懐、町政運営に最善の努力をいたす覚悟であります。
近年、財政をはじめ諸般の状勢は年を追うごとに厳しさを増しております。しかしながら、福祉、環境整備、教育、産業の振興といったまちづくりの基本的な命題を後退させるわけにはまいりません。今後とも、地域住民の行政ニーズをより的確に把握し、財政の効率的な運用に努力してまいります。
農業基盤整備をはじめデイゴの造林など佐敷町の地力となる事業の推進にこれまで以上に力を入れ、子や孫に誇れる郷土、子や孫が誇れる佐敷町づくりに適進いたしたいと考えております。
町民の皆さまの英知と情熱、そして、力を佐敷町発展に反映させ、ふるさとづくりを大きく前進させていく所存です。開かれた町政、町民が主人公の町政で、大きく佐敷町を羽ばたかせ明るく住み良いまちづくりを目指してまいります。