佐敷小、馬天小児童の国体マーチングバンド
「ワン・ツー・スリー・フォー…」、子どもたちの声が馬天小学校体育館にこだまします。
8月26日、海邦国体開会式のセレモニーの一翼をになう小学生児童のマーチングバンドの練習風景をのぞいてみました。この日の練習に参加したのは、佐敷小、馬天小の両校児童56人。
国体マーチングバンドの練習は夏休み前より佐敷小、馬天小各校で週一回のインターバルで行なわれており、両校そろっての合同練習は、この日で二回目。
練習は、真栄平弘子教諭(佐敷小)、島袋小夜子教諭(馬天小)の指導のもと、午前中は楽器の演奏、午後は体形、隊列の組み方の練習と本格的に行なわれています。三、四、五年生で組まれたバンドであり、楽器の方が大きくみえるような児童もみられます。額に汗を光らせ取組む姿は真剣そのものです。隊列を組み、行進し、いろいろな体形を作りつつ、演奏を続けるのがマーチングバンドですから、その練習も自ずと厳しくなっていきます。
練習を開始して、まだ日が浅くそれぞれ楽器を持っての体形、隊列の練習まではいっていませんが児童たちの真剣な練習ぶりから、その日は近いものと思われます。
アメリカでの各競技会のセレモニーには必ずといってよいほど登場する華やかなマーチングバンドが、佐敷小、馬天両校児童によって演ぜられるのが、2年後、今から楽しみです。
練習場内をとび交う号令は全て英語。歩調を整え、前へ、後へ、横へ、斜へ、児童たちは流れる汗を気にさえしません。晴れの舞台での一糸乱れぬみごとなマーチングバンドが期待できそうです。
海邦国体成功に向けての取組みは、各方面で日一日と進められています。開催までのこすところ25ヵ月。佐敷町の良さ、沖縄の美しさをアピールするために力を合わせましょう。
民泊実践記録③
民泊を引き受けて 島根県東出雲町 吉儀清子
「このふれあいが未来をひらく」のスローガンのもとに開催されたくにびき国体。その言葉通り心の交流、地区・家族あげての民泊は陰の原動力になり、人情あふれるもてなし、食事の心配、ふろ、選手の健康管理を十分にしてあげ、快適な民泊環境をつくり、一生懸命やった。
熊本の選手、監督10人の方を三世帯に分散し、わが家には監督2人、女子選手2人の4人の方の民泊でした。
「今日は、お世話になります」元気のよい、明るくはっきりした声。待ちに待った民泊が始まった。心配、不安、うれしさ。なんとも表現できない気持ち。玄関でのあいさつ、礼儀正しい、マナーのよい方です。第一印象が非常によい。
家に落ちつくと、まず最初に仏様に線香をたてて合掌されました。三日夜は地区の歓迎会。私たちの地区では、七つの県の選手、監督69人が22軒の家庭で民泊されました。
歓迎会では、地区内名所、名物の説明、アトラクションで安来節と、どじょうすくいを披露し、ワンサワンサの選手たちのよろこびの声。短時間のうちに終了したが、選手の中には踊りを覚える人もありました。
夜8時ごろになると、選手の方たち10人が集合されてミーティングです。礼儀正しく、正座してハキハキした言葉。そばでみていても、身のひきしまる思い、食事もおいしい、おいしいの連発。全部きれいに食べ、お代わりも再三ありました。朝に夕に、仏様を拝んでから食事です。
そして、五日間もいつの間にか過ぎ、熊本は非常に成積がよく、六日には島根の団体戦の決勝をされ〈どちらも勝たしてあげたい〉と、祈りました。島根が勝ちました。なんともいえぬ気持ち。
いよいよお別れの日が来ました。心と心のふれあいは、民泊を引き受けた者でなければ、味わえないこの気持ち。握手と握手で、そのにぎる手には、ふれあいの汗がにじむ。こぼれる涙、この感激は永遠に残るでしょう。