なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

美しい郷土をみんなの手で  大会へ向けた町民運動の展開を

海邦国体開催まであと26ヶ月 成功させよう海邦国体

テーマ「海邦国体」、スローガン「きらめく太陽ひろがる友情」のもとに開催される第42国民体育大会を成功させるための、町民運動基本方針が定められています。その目的は、佐敷町民1人ひとりが国体の意義を理解し、全町民がそれぞれの立場で積極的に協力しようとする気運を高めていくところにあります。
さらに、海邦国体を契機として町民スポーツの振興と、町民の連帯感の高揚を図り、「融和」「協調」「不屈の精神」を基調に21世紀に向けて「さかえるまち しぜんのまち きぼうのまち」佐敷町を建設をめざす目的も持っています。
現在、町民運動は、これまで着実な進展をみせてきました「心豊かなふるさとづくり運動」「体力づくり連動」等との連携を強化し、海邦国体の成功へ向けての一大運動とするための有機的結合も図られています。
町民運動の基本目標は、以下の通りとなっています。
「健康でたくましい心と体をつくる」
スポーツ、レクリェーションに親しみ、体力を向上させる運動。リズムのある生活で健康を高める運動。
「緑豊かな美しい郷土をつくる」
まちやむらや海を美しくする運動。花と緑で潤いのあるまちやむらをつくる運動。
「心豊かな明るい郷土をつくる」
公徳心を高め、あたたかい心のふれあいを深める運動。郷士の歴史と文化を知り、紹介する運動。
私たち佐敷町民にとって海邦国体は、国民のスポーツの祭典を開催するというだけでなく、長い歴史と文化を誇るふるさとをいま一度見直し、郷土愛や文化財保護、自然保護・育成の運動を盛り上げていくという意味合いを持ったものでもあります。
また、町民の健康増進、生活環境の美化を進めるためのよい機会ともいえます。国体成功のカギはほんとうに住み良い郷土づくりにあるといえるでしょう。


民泊実践記録② 
ふれあいの宿 島根県木次町九区自治会長  塔間 武
ソフトボール成年女子チームの民泊を、3町内会で1チーム引きうけることが決まったのは、3年前であった。そのとき、予備家庭を含む8軒の民泊家庭が決まったのである。その民泊は、町内会の責任と協力で行なうことが申し合わされたのであった。
国体が近づくにつれ、民泊家庭の私の家も、民泊についてのいろいろの憶測にとまどい、調理講習、検便、数多い関係文書に、民泊のたいへんさに驚いたりもした。しかし、国体開会式の前日、選手を迎え、民泊を始めてみて、それからは杞憂(きゆう)に過ぎなかったことを知った。民泊は、町内会の協力によって円滑に進めることができたのである。
選手が民泊家庭に到着して、まず感激したことは、街頭での3町内会共催の歓迎式であった。
歓迎式は、町内会の歓迎のひとに埋められた街頭の式場で、選手たちのふるさとの歌曲をバックミュージックに行なわれた。
選手の紹介、花束贈呈に続いて「最高のコンディションで試合にのぞめるように、町内会が協力してお泊めします」という歓迎の言葉、必勝祈願の御幣贈呈などを内容とする15分間の式であった。
民泊家庭の調理、それは調理講習、自主的調理実習で磨いた腕を振るって町内婦人たちの輪番の応援によるものであった。
近所の入浴の協力、タ食時の家族と選手との交歓、勝利の夜のビールの祝杯など、民泊はなごやかに、スムーズに進めることができた。
試合には、横断幕を応援席の後ろに張って、町内会をあげての応援。別れの前夜、地区集会所で歓送会を開催し、歌や方言の交歓、惜別の涙にくれて握手しながら退場した選手の姿。
歓迎式と同じ場所で行なった送別式のあと、選手は頬をぬらしながら、町内会が準備した車に分乗して別れていった。その後ろ姿に涙ぐんだことなど、民泊ならでは体験できなかった心に残る出来事であった。
民泊は、ふれあいの宿であったと、つくづく思ったのである。

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大分類 テキスト
資料コード 008438
内容コード G000000515-0023
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第94号(1985年8月)
ページ 11
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1985/08/10
公開日 2023/11/09