新里の土帝君は、デイゴの大木や雑木に囲まれた中にあって(字新里澤川原124)、独特の雰囲気をかもし出しています。前面約一メートルで奥行約一メートル、高さも約一メートル、屋根の形をした石をかぶっています。
土帝君は、按司時代、中国貿易と共に導入された「土地神」あるいは農神であるともいわれています。
字の氏神的存在で祭礼の中心にもなっています。祭神は、本来「土」といわれていますが、戦前までは中国風の木造または陶製の像三体が安置されていました。
土帝君の祭りは、旧2月2日と、8月の秋の彼岸の入り日に行なわれます。往時には、信仰する人々でにぎわったであろう土帝君も、今は静寂の中にその威厳をみせています。