睡眠は、その日の疲労をとりさり、明日の活力を生むためには欠かせないものです。
ところで、私たちはどのくらい眠ればよいのでしょう。ひところ「成人は1日8時間の睡眠」といわれましたが、睡眠の量は時間の長短だけで決まるものではありません。 〈睡眠量=時間×深さ〉と考えてください。
つまり、例え睡眠時間が短くとも、ぐっすりと深い眠りをとっていれば問題ないのです。
睡眠は、いわば脳というバッテリーに充電するようなものです。
充電効率、すなわち眠りが深かければ充電時間(睡眠時間)は短くてすみます。逆に、眠りが浅い場合には、長時間眠っても疲労感が残りがちです。
ストレスは眠りの大敵
それでは、眠りをつかさどる脳にとって、最も悪いものはなんでしょう。それは、ストレスです。
昼間、仕事の上でむしゃくしゃしたことがあると、夜、眠れないことが多いものです。これは、昼間のストレスがあなたの睡眠にブレーキをかけているためです。
また、むし暑い夜に眠れなかったという経験は、誰しもお持ちのことでしょう。休日の前日ならばまだしも、翌日は朝からめいっぱい仕事をしなければならないなどというときには、イライラしてかえって眠れません。
昼間いやなことがあったときは何らかの方法でストレスを解消して床につきましょう。それでも眠れないときは〈いつか眠れるさ〉くらいに考えて、気にやまないことです。人間の体は、疲れてくると自然に眠りを欲するようにできているものなのですから。
安眠のための工夫
寝室には静けさと暗さを 安眠のために必要な最も大切な要素は寝室の暗さと静けさです。
暗さに関しては、夜ならば部屋のあかりを消すだけでこと足りますが、朝になると当然部屋に日が差し込むため、遮光性のカーテンはとりつけたいものです。
静けさについての理想をいえば壁の内側に吸音材を張り、ドアや窓は二重構造にするとよいでしょう。しかし、現実にはなかなか思いどおりにゆくものではありません。まず、音に関しては、慣れてしまうことです。それでもどうしても気になるという人は、耳せんをするのも1つの手でしょう。
枕選びは固さ、通気性も考えて
固さや通気性の点からいえば、昔ながらのソバガラか、ソバガラとパンヤを組み合せたものが理想的。高さは8から10センチぐらいが良いでしよう。
敷き布団は固め、掛け布団は軽いものを
フカフカの布団は、体が沈みこんで自由に寝返りが打てず、安眠の妨げとなります。また、掛け布団は、厚手のものは発汀を妨げたり、心臓を圧迫するのでうす手の軽いものを。
安眠を約束する一杯のホットミルク
ホットミルクには、体をあたため、興奮した神経を鎮めてくれるカルシウムが豊富に含まれています。
眠りを浅くする就寝前の食事
床に入るのは、ちょうど消化活動の終えたころが適当です。脂肪分の多い食物では、消化するのに4時間もかかりますので、要注意です。