なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

生徒の作品から はねが切れた赤とんぼ 馬天小2年 ふくだけい子

学校の帰り道、赤とんぼを見つけました。そのとんぼは、はねがきれていました。わたしは、
「かわいそうだから、家にもってかえろう」
と、けっしんしました。家では、もう、ゆうはんのしたくができていました。わたしは、お母さんに、
「赤とんぼのはねがなおるまで、ここにおいてもいいでしょう。」
ときくと、
「うん、いいよ。そのかわりちゃんとめんどうみてよ。」
というへんじがかえってきました。わたしは、うれしくなって、赤とんぼのいるところへとんでいって、
「今からおまえは、わたしのうちにいるんだぞ。」
と、いいました。
ゆうごはんをたべたあと、赤とんぼを見に行くと、おなかをすかせたみたいにひっくりかえっていました。わたしは、ティッシュに水をつけてさとうをしみこませました。そして、赤とんぼのいるところにおいてやりました。赤とんぼは、ゆっくりゆっくりその上にのっかりました。
何日かして、赤とんぼのはねがもとどおりになっていくのがわかりました。わたしは、うれしくなってお母さんのところへ行って、
「赤とんぼが、少しずつなおっていくよ。」
というと、
「それはよかったね。」
と、お母さんもよろこんでくれました。赤とんぼは、やがてとべるようになりました。わたしは、赤とんぼに、
「またあおうね。」
といってから、にがしてやりました。赤とんぼは、うれしそうに広い空にとびだしました。
「なかまのところへいけるといいなあ。」
と、心の中で思いました。

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大分類 テキスト
資料コード 008438
内容コード G000000512-0015
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第91号(1985年5月)
ページ 9
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1985/05/10
公開日 2023/11/09