おじいさんの事さんから数えて4代目、代々の闘牛好き。生まれた時からケンカ牛と一緒だった徳吉さんです。大の牛好きのおじいさんの後にくっついて、牛の後ばかり追っかけていたという子ども時代を過した徳吉さん、なるべくしてなったという現在でしよう。
「このこだま号は、昨年の3月から飼っています。徳之島産の9歳です。戦績は3勝1敗でまあまあというところですね」
町内で本格的な闘牛を飼っているのは徳吉さんだけとあって見学に訪れる人も多いとのことです。そして、訪れる人が一様に驚きます。その大きさ、色艶に。それもそのはずです。牛好きの徳吉さんに朝、晩、入念な手入を受けるこだま号なのです。
「850キロぐらいあるんですから、飼料も、手入れも大へんです。以前は2頭いたんですがどうしても手が回らなくなってしまって……」
徳吉さん兄弟は、全員がケンカ牛好きということです。日常の面倒は長男の徳吉さん、闘牛場での手綱取りは弟さんたち。
もちろん、お父さんはそれらの全般を見、そしてアドバイスをするわけです。代々の闘牛一家といえます。
「闘牛場では、その最中に牛に足を踏まれたりするんで、若い弟たちにまかせます。自分の牛がちょっぴりかわいそうな気もしますし」
現在、5月12日の全島大会に向け調整中のこだま号、徳吉さんの愛情あふれる手入れにきっと応えてくれることでしよう。
黒光りするこだま号と肌からは勝利が感じられました。