今期製糖も4月4日をもって終了し、キビ作農家にとっては植付、追肥作業と忙しい毎日だと思います。今回は、佐敷町の基幹作物であるサトウキビについて考えてみたいと思います。
町のサトウキビ収穫面積は、最近では300ha前後で推移しており、単収も平均8・9トンを維持しています。
サトウキビ競作会町代表になった屋比久保三氏の株出しキビを、1月10日に調査してみたところ表1の結果となりました。
ご存知のように競作会では総合評価で決めますから、収量がよくても糖度、品質が悪ければ良い評価は得られません。これからのサトウキビ作りは、品質の良いものをいかにして多く収穫するか(特に耕地面積の小さい町においては大きな命題)だと思われます。
そこで、こうすれば確実に増収が図れ、枯死茎が少なくて刈取り作業も楽になる2、3の株出しキビ栽培技術を紹介します。
農家の皆さんの実践を期待しております。
(1) 根切り、培土を確実に行なう
(2) 施肥回数を増やし、1回当りの施用量を減らす(多くの農家が基準の倍以上使用しており、ムダに金肥を流亡させているのが実情)
(3) 腐熟堆肥(ケーキ、山羊フン、牛・豚プン、水肥など)をすき込む
(4) キビの枯れ葉は耕耘機などの処理機で切断し、石灰チッソを散布して腐熟を早める
(5) 夏場生育後期のキビ枯れ葉は株元に置かないで通路に落とすこと(高温多湿状態で枯れ葉の腐熟熱により枯死茎の原因になる)
(6) 株出し回数は、4回程度にとどめる
(7) 新植する時には、機械を入れて根切り培土が十分できるようにうね幅を広くとる(120センチ以上)NCO310は葉が垂れるので、硬く植えると光線不足で枯死茎が多く出る要因になる
(8) 緑肥作物をキビの間作に植える(ソラマメ、大豆、下大豆、ササゲ、クロタラリアなど)
(9) 病害虫防除(黒穂病、野そ、ガイダー、メイ虫など)は適期に行なう
試算(例)
57~58年期の収穫面積が304ha(24,689トン)であり、単収1トン増収したと仮定した場合、町全体で6526万8800円の生産額が得られるのです。
県南部農業改良普及所 ℡ 0988(89)3515・5741