狭い私の庭の大小さまざまな鉢に、いろいろな植物が生きている。どれも普通の植物で、大抵、種から育てたり、挿木、継ぎ本したもの。種からのものに柿、島桜、黒本、チャーキ、ツワブキ等がある。挿本はクロトン、クチナシ、ブーゲンビレア、その他がある。なかでも数本からたった一本成功したクチナシの挿本のカジマヤーの白い花の咲くのが待ちどおしい。
クチナシの根付きし鉢に夕時雨
柄を長く陽に拘いて咲く石露(つわ)の花
桜は十数年前から種をまき、苗木まで育て津波古の家々に配ったものが、いま、花を咲かせている。土帝君の30本ほどの桜も、失敗、成功をくりかえしたが、もうすぐ咲くであろう。小生の庭のはまだ鉢のままである。
吉野桜(そめいよしの)も試しにと、植木屋に20本注文し植えたが、私の門中墓の前の1本だけが生き残り3メートル位に達している。この桜は摂氏4度位の温度にならないと花をつけないとのことだが、まずは佐敷町ではどんなものかと観察している。
試し植うそめいよしのや寒ゆるぶ
友人からいろいろの山の木をもらったり、山の木の苗を引いて来たりして試植したりする。
楽しいものである。今、町が行なっている梯梧の植樹の間々に、実の成るバンシルーや、モーバンシルー(天人花)や産業林としてチャーギ、 その他の苗木を育てる夢も果てない。仕事の合間に、木の実を採って来て黒木やチャーギを苗にしてあるが、どこに植えたらと思ったりしている。
なかには南力旅行の蜜移植の名も知らない木の鉢もある。
クロトン挿す衰え知らぬぼんのくぼ(ぼんのくぼは方言名、ウシヌクブー)
草花や野菜の箱植えは、子どもの頃の畑作業の思い出だす。
セロリーの肥料効き過ぎ半農夫 (瀬底月城)