なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くらしに緑を 長期的な視点を強く感じた台湾の農業(3) 佐敷町役場経済課長 平田安彦

今日の台湾農業は大規模で且つ着実に発展し、その姿は目を見張る程です。農業において種種の問題を抱える私達から考えると農業後継者が多数いるうえ昔ながらの農業を改革し、規模拡大や機械化農業を図ってきたのではないだろうかと感じられました。洋の東西を問わず、これからの農業振興を図るにあたっては、やはり農業後継者の育成が最も重要な課題となっているようです。台湾でも、専業農家の青年には嫁のきてがほとんどなく、そこで農家の若者達はしばらく街工場へ働きに出て嫁を探し、子供もできやっと落着いた頃家へ帰り後継ぎをしているのですよとある農家の方が話していました。本町においても後継者問題は同様な悩みを抱え今後、じっくりと取り組み、検討を重ねていく必要があるかと思われます。
さて、どうにか研修報告も台湾農業の概略を報告しやっと最後の稿になりました。農家の生活状況、農産物の流通体系等書き残した部分や舌足らずの部分もありましたが、次の機会に譲りたいと思います。
末筆となりましたが、街と緑についての雑感を述べておきたいと思います。台湾は全体的に緑で包まれているという感じがまず最初の印象でした。道路は幅員が広く歩道も整備され、しかも整然と街路樹が植栽されておりました。違った樹種を植えるなど細かく配慮され、管理も街ぐるみでやっているとのことでした。特に彰化県員林町は人ロ10万の町で、町全体が公路公園に指定されていて見事でした。
町には、苗木業者が多数軒を並べているため花や緑がいっぱいという感じでした。
昭和62年に沖縄海邦国体が開催される本町にとって参考になるところが大でありました。
これから本格的に緑と花いっぱい運動を町民ぐるみで取り組み他府県からのお客さんを温かく迎え「もう一度佐敷町へ行ってみたい」と思われるような町づくりを進めていきたいと思います。

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008437
内容コード G000000506-0013
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第89号(1985年2月)
ページ 8-9
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1985/02/10
公開日 2023/11/09