年があらたまって早やひと月、時間の経過のテンポにただ驚くばかりである。それにつけても、私たち人間の日常生活は、ちょっと立ち止まってみてみると、意外に進みはおそいように思える。
今年も、新年を迎え、各家庭では正月の行事やら料理を楽しみ、新年を祝ったことであろう。
わが家も、世間同様、正月を迎えたのであるが、家族の動き、周囲の動きは、昨年、一昨年にもどしたとしても何ら変わることがない。勿論、年中行事であるのだから、そう変化があるわけはない。
しかし、私がいう変化とは、良いものは良いものとしてのこし、変えるべきもの、改ためるべきことは変え、改めるということについてなのである。
行事内容は毎年変わらないはずなのに、装いや料理を筆頭に年々、華美になり、ぜいたくに知らず知らずの内になっていっている。これは、わが家だけのことではないであろう。物質万能の風潮、消費文化の蔓延がそうさせるのであろうか。
この辺でいったん立ち止まりこのことを老えてみてはどうだろうか。行事の真の意味を知るためにも、簡素化を進めてみる必要がありそうである。
年中行事に限らず、私たちの日常生活には、簡素化をおし進めなくてはならないものは山とあるはずである。どんなに飾っても、どれほど豊富でも、心がなければ、いつかむなしさを感じてしまうものだ。全てのものごとに、これを適用してみよう。