野菜の生育の仕方はその種類によって大いにちがいます。目的とする野菜の利用部分が葉か果実か、または収穫期間の長短によっても育て方はちがってきます。施肥の仕方については、その品種の特性を十分つかむことが大切です。
例えば、図1のように大きく分けて3つのタイプがあげられます。この中で収穫期間が長いコンスタント型について述べてみますと、ピーマン、キュウリ、インゲン等の果菜類などは長期にわたって生育しつづけますので肥料の効き方をいかにして維持するかがポイントです。特にこれらの果菜類は秋ロに播種または定植し、年内にある程度大きくして冬を越し、2月から5月にかけて収穫するタイプですので生育段階に応じた施肥の工夫をする必要があります。
10月から12月はじめの沖縄の気候はまだ陽気があって生育テンポは比較的早く、その後、寒さと共に生育がゆっくりとなり、春先に陽気がよくなるにしたがい再び生育をもり返してきます。従って最初からやわらかい過繁茂の樹形だと初期の収量は上がりますが、その後の落ち込みは大きく、春先からの追い込みもうまく行かないことになります。
施肥方法のポイントには、次のようなものがあげられます。
1、前半(年内)はチッソの効きすぎによる徒長樹形にさせないように、元肥も少なめにする。
1、前半はリンサンを十分効かし、根づくりに努める。
1、春先(3月~5月)にこまめに追肥(チッソ)を効かして収量を上げるようにする。
それから、ポリマルチによる施肥方法ですが、無マルチとちがって施肥が生育に与える影響は大きいといわれています。その特徴を整理しますと、
1、マルチ下では肥料の流亡がしにくい。
1、肥料分が土壌表面にたまりやすい。
1、土壌の保水状況はよくなり、根は表層に多く張るようになる(図2参照)。
1、地温を高め根の働きをよくする。
以上のようなことがいえると思います。従って、肥料濃度の障害が無マルチより出やすいことになりますので、施肥量(特に冬場の)には十分注意する必要があります。(今年の1~3月の寒さで生育の遅いピーマンに追肥量を多く入れ、逆効果で落葉させた事例が数力所の圃場で見うけられた)。特にチッソは無マルチ圃場と比べて、やや少な目にし生育に応じた追肥に心がけてください。
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