なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

くしゆっきい⑩ 沖縄大和口(その1)

近ごろの子どもたちは標準語がとても上手になっている。4、50年位前までは方言を直訳した沖縄大和ロが多く、今思い出して見ると、微笑ましいのが沢山あった。
では、当時の太郎少年の「生活日記」を再現して見よう。
「今朝は頭が痛かったが力ラ足で元気に学校へ行きました。1時間目は算術(数学)です。授業中騒ぐのがいたので私が『アベルナ』と注意したら、みんな静かになり、よく勉強ができました。
2時間目は綴り方(作文)の時間です。兄さんのニービチについてうまく書きました。 『私の兄さんは妻を拾いました』と書いたら、先生が『太郎君、兄さんの妻は、新里マガヤーか、どこかに落ちていたのかなあ?』といって笑っていました。私は先生のいうことがよく解りませんでした。
3時間目に先生が『明日から防火週間ですから皆さんも標語を作ってごらんなさい』といわれました。先生は『太郎君のは面白いから発表します』といって『ケダモノ一本火の用心』と読みあげたら、みんな僕の顔を見てゲラゲラ笑っていました。僕はとてもよくできたと思ったのに、なぜみんな笑うのでしよう。」
さて、太郎君の日記を読んで二ヤニヤしている人は経験者(?)「さっぱりわからん」という人は方言が不得手の方か……。そこで簡単な解説を加えてみた。
▲カラ足<カラビサー→裸足>
▲アベルナ(アビンナ→しゃべるな。または、黙れ!)
▲妻を拾う(トゥジトゥメーユン→妻をめとること)
▲ケダモノ(キーダムン→薪)     (真栄城勇)

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大分類 テキスト
資料コード 008437
内容コード G000000502-0005
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第85号(1984年10月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1984/10/10
公開日 2023/11/09