へぇーこれが、キュウリ、これでもキュウリ……というのが、見た人の第一声になるはず。夜目ではハブとみまちがうほどのキュウリが、照喜名朝助さんの家庭菜園にすずなり。
二ヵ月ほど前に植え付け、ほとんど手をかけずに、ウチナーグチでいう「ハブウイグヮー」が誕生しました。
「棚をつくって、肥料も考えておれば、よかったんでしょうけれども……」と、照喜名さん。菜園にはゴーヤー、ナーベラーなどなど、一家で消化できないほどの作物。
「自然の恵みでしょうね、植えればこんなに生長して。近所にくばっても余るぐらいです。自家製の野菜でいつも食卓は大にぎわいです」ハブウイグヮーは、原産地は熱帯アジア、ケカラスウリが正式名、ゴーダービーンとも呼ばれているものです。
食用でもあるが、もっぱら観賞用として育成されるハブウイグヮーですが、照喜名さんは、〈自然の恵み〉と食用にしています。小さいので70センチ、最大のものは1メートル30センチばかりあったとのこと。このときばかりは、照喜名さんも驚くばかりで、食べるまでにはいかなかったとのことです。
「味は、意外にさっぱりしています。一本あれば一家の一日分まかなえます。観て楽しむだけではもったいないですよ」
ブロック塀にたれ下がったハブウイグヮーは、太陽のもとではユーモラスでさえあります。
ウニを肥料にするなど丹精こめた作物を手にする照喜名さんの顔には喜びがあふれていました。