なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

おもいでのスナップ① 佐敷が農事訓練第一号 文・写真提供 字仲伊保 當真登美

思えば懐しい48年前の想い出。今は亡き、すばらしいお二人の想い出です。字屋比久の宮城徳清様、字新里の森下保栄様のお二人です。
宮城先生は、当時の佐敷村長でした。森下先生は、当時沖縄県の農林技手として活躍なされた方です。両先生とも、佐敷村民のために数々の功績を残されました。
昭和12年、9月ごろと記憶しています。私が17歳、沖縄県で初めての女子農事訓練生として、また、佐敷村が第1号として牧原農事訓練所に一週間の農事指導を受けに行ったころのことです。
津波古、小谷、新里、佐敷、仲伊保の五力字から22名、30歳を頭に16歳の女子青年が訓練に参加しました。すばらしく、また、厳しい森下先生のご指導のもと訓練が行なわれました。
朝は薄暗い5時に起床の鐘の合図、洗面、朝食、そして先生の号令で体を鍛え、作業農具を片手に提灯の灯りで作業に出かけます。
晩は、太陽が沈む薄暗い6時ごろまで訓練は続きました。芋の植え付け、うね立ての基礎づくり、砂糖キビの植え付けなどの指導を受けました。当時、芋の名前は百号で、砂糖キビがタイケース25号でした。土にまみれての猛訓練が続きました。
夕食を済まし、宿舎でのその日の反省会。9時消灯。一日一日の厳しい指導を身につけ、修業の日には、宿舎の前で記念撮影をしました。決まった作業着もなくさまざまな作業着姿がなんとも懐しく思われてなりません。
訓練の成果は、とても大きいものでした。農事のあらゆる面にそれは生きました。宮城村長が、農事訓練第一号をわが佐敷村にもってこられたことは、将来を見通した快挙といえるでしょう。ほんとうに偉大な方でした。 (つづく)

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大分類 テキスト
資料コード 008437
内容コード G000000498-0022
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第81号(1984年4月)
ページ 12
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1984/04/10
公開日