まるで植木屋さんのようなお宅です。自身でも、その種類、数が数えられないほど。
仲里清徳さんのお宅は、植木に囲まれ、緑いっぱいです。全て手づくり、買って来たものはほとんどないとのこと。
「肉屋をやっているんですが植木職人とまちがわれることもあるんです。盆栽などの数が多過ぎるからでしょうか」
緑の育成に趣味を持ってから十七年という仲里さん、どんなことがあっても毎日の手入れはおこたらないとのことです。一本一草の具合、「機嫌」もわかるということです。
「家族にいわれるんです。家族よりも大事にしているって」と、笑顔で話す仲里さんです。
丹精をこめて育て、肉市場で同じ趣味の人と交換、次々とふえていき現在のようになったとのことです。整然と並んだ盆栽を見やる仲里さんの目は、まるで自分の子どもを見るようにやさしいものでした。
「緑のある生活は何ともいえませんよ。盆栽は、心を豊かにしてくれます。おだやかになるというか……。切り株があれば盆栽はすぐできます。 なによりも体をよく動かしますから、良い健康法ですね」
仲里さんのお宅には、りっぱな生垣のヒンプンもあります。
先代のつくったものです。仲里さんの趣味も、親ゆずりのものなのかもしれません。
「いろいろの花が、時おりおり美しく咲いてくれますし、趣味を通り越して生き甲斐になってます」
と、語る仲里さん。手づくりの庭の池には、色鮮かな鯉がおよいでいました。