ピーマンの着花習性は図1のとおりで、第1花が分化するとその節から2~3本の分枝を生じ、分枝はそれぞれ1節を形成すると第2花を分化し、さらにその節から2~3本の分枝が生じます。以降これを繰り返していきます。とくに分枝は1本が太く主枝となり、ほかは細く側枝となります。また、同じ生育段階の節に分化した発芽は、ほとんど同じ日に開花します。
ピーマンは、いずれの品種も長花柱花が正常花で、結実しやすく、短花柱花は落花しやすいようです。株の栄養状態がよいと正常花が多いのですが、なりづかれの時や栄養状態が悪い時は短花柱花が目立ちます。主枝には長花柱花、側枝には中花柱花、短花柱花が多いといいます。
(図2参照)。
ピーマンの開花結実の環境について、特に1~3月の低温下では花の受粉、受精が不十分で石果(石ピーマン)となりますので、ハウスの換気に気をつけ、日中の温度でハウス内が暖まっている午後4時ごろまでにはビニールを下ろします。ハウス内温度をビニールの開閉で調整する場合は、北側に面したビニールは開閉しないで他の場所で行なうようにします。
生理障害果の見方〉
図3は生理障害果。高温乾燥下では日焼け果、つやなし果が発生します。地温が高く乾燥、多肥であるとカルシウムの吸収が低下して、しり腐れ病果が発生します。着色果は果実に光が<当たり、果面にアントシアンが形成されて暗紫色になったものです。正常果でも乾燥、濃度障害などで水分吸収が阻害されると短径果になりやすく、低温下では先とがり果になります。
〈収穫〉
ピーマンは収穫期の幅が広く、収穫のおくれは、果実の肥大化と果皮の硬化、色の悪さにつながります。開花から収穫までの日数は、ほぼ15~20日です。
着果数が多く、逆に草勢が弱っているような時は、やや若どりをしてなりづかれを防ぎます。(県南部農業改良普及所、電話0988(89)3515)