なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

佐敷金杜

わが沖縄は、日本の南の玄関と称されている。はたして現実はその通りになっているであろうか。まだまだ、この玄関は狭いように思える。
物質的な交流だけでなく、人的、文化的な面での交流をもっとおし進めるべきと感ずる。
先般、東南アジア4ヵ国視察の機会を得た。地理的にも歴史的にもつながりの深い、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア各国をまわり、ますます「南の玄関」沖縄の存在意義を深めた。日本がアジアの一員として存在するためには、これらの国々との文化交流を今以上にはからなければならないことを痛感させられた。経済面での交流にしてもエコノミックアニマルの異称があるように一方的なものがあり、真にアジアの同胞、一員とはなっていないようである。
今後の課題は、文化面での交流を強め、相互の理解を深めることである。人的な交流をはかり、語り合い、協力し合うことが必要な時期が来ていると思う。
このような交流の「玄関」たることができるのが、わが沖縄である。地域的にいっても、交流の歴史からいってもその条件は充分といえる。国や県のその面での努力に期待すると共に、私たち自身の「眼」も東南アジア諸国に向けるべきであろう。
それぞれの国柄からも学ぶべきことは多いが、何よりも強く印象にのこったのは、緑を大切にしていることである。これらの国々の人々の豊かな人情の源泉をみた思いであった。

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000497-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第80号(1984年1月)
ページ 5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1984/01/10
公開日