あわいピンクの花が道ゆく人の歩を止めさせています佐敷農協と道1つへだてた隣、小谷栄三さん宅の庭に咲くトボロチの花が今回は主役です。
昭和56年春、佐敷町心ゆたかなふるさとづくり推進協議会が行なった「つぎ木」の成果が今年も花開いたわけです。国道ぞいということもあって、車を止めてしばし見とれるドライバーもあるとのこと。可憐な花は風にゆれて、小谷さんの誇りとするにたる姿をみせています。
このトボロチ、東南アジア原産のトックリキワタにつぎ木されたもので、小谷さんのゆき届いた手入れで見事に1年目から開花。そのときも大きな話題となっていました。
これまで「ふるさとづくり」の運動で町内各所でトボロチのつぎ木がなされましたが、小谷さん宅のものは特に生長がよいようです。外観からはそのことをおしはかるのは素人の私たちには無理ですが、何よりも美しい花をつけることでそれは知ることができます。
　植物でも育てる人の愛情を感じる、ということがいわれますが、小谷さん宅のトボロチもそのいい方があてはまっているようです。
「今年は台風の影響で期待していたほどではありませんでした。みなさんによく手入れのことをたずねられるんですが、特別なことはしていませんね。土があっているといった方がいいかもしれません」
奥さんも、このトボロチのつぎ木のことを次のように語っていました。
「枯れた木に花が咲いたと思っているんですよ」