なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

新しい農村のあり方と今後を考える。  地域あげて取り組む「村づくり」-仲伊保

町内の仲伊保・手登根で、沖縄県農林水産部の南部農業改良普及所によって、地域農業組織化総合指導事業が進められています。
この事業は、一口にいえば、農家はもちろん非農家も含めた集落の自主的活動を組織化することがねらいです。現在の農村社会は、諸情勢の変化に伴い、兼業化や混住社会化が進行する一方で、農業生産の担い手や農業生産環境、農村の連帯感の回復等解決すべき問題が多くなってきています。そして、農業生産の面から言えば、需要の動向の回復に即した生産の再編成が叫ばれており、生活面の都市化が進み、従来の“むら”の良ささえも失われてしまうような現状にあります。
これらの問題を解決するためには、これまでの個別の農家や生産組合のような機能集団だけの対応ではむつかしい面が多く、従って兼業農家はもちろん、非農家も含めた人と人とのつながり、いいかえれば、地縁的な機能を生かし、その自発的な活動を組織化していくことが大切です。そのために農業改良普及所が中心となって、町や農業委員会、農協、農家が一緒になって総合的な集落の活動に対して指導援助をしていこうというものです。
事業の実施地区は、町全域が対象となりますが、実施地区内への事業成果の波及の拠点となる集落をモデル集落として選定しています。本町では、仲伊保と手登根がこのモデル集落となっています。
この事業の特徴は、地域の住民のかかえる問題点を自らが探り、お互いの話し合いによって解決していこうということにあります。
ですから行政の側からの一方的なおしつけによって進められるものではありません。
今、仲伊保で真剣に取り組まれようとしているのが、『地域の新聞』の発行です。自分たちで企画をし、取材、編集、印刷までしていこうというものです。それによって現在仲伊保ではどのようなことが問題になっているかを浮きぼりにしていこうとしています。さらに、仲伊保では、子どもたちも将来のリーダーだとして“子ども会”の育成にも懸命です。
この事業の成果は、短期間であらわれるものではありません。長期的展望と息の長い地道な活動が期待されます。

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大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000496-0009
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第79号(1983年12月)
ページ 7
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/12/10
公開日