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明日の農業を考える⑥ ピーマンの消費は伸びています-主な産地とねだん-

今回はビーマンの消費流通状況について書いてみます。

<来歴>
トウガラシのうち、辛みの少ない種類を日本ではピーマンと呼んでいますが、これはラテン系の国々でピメントと呼んでいる語のフランス読みです。原産地は中南米であり、コロンブスが持ち帰ったとされていますが、これは辛味種であり、日本へも16~17世紀に諸方から渡来し、トウガラシとして土着。
現在のビーマンと言えるような甘味種は、原産地で栽培されていた辛昧の少ない種類をもとに、欧米で発達しています。日本へは主に米国から導入され、明治以来、昭和20年代まで栽培されたのはすべて米国からの輸入種。純国産のピーマン品種が登場したのは、生産が急速に増加した昭和30年以降です。

<出廻期>
1年中出荷されていますが消費量を指数で示すと、夏が93、冬春期が106と旬の季節よりも端ざかい期に売れていることが表1からわかると思います。
最近ではサラダ食の普及からレタスなどの西洋野菜とともに需要は急激に伸びています。

<産地>
最も出荷量が多いのは宮崎県で、その他茨城県では鹿島地区が大型産地となっています。その外に高知、鹿児島があります。

<ねだん>
過去5年(53年~7年)の平均価格は、冬春ピーマン(11~翌5月)が381円、夏秋ピーマン(6~10月)は207円。月別価格の動きは、全体でみると12~翌3月が高く、5~9月が安い。冬春ピーマンでは1~3月が高く、11~12月と4~5月が安い。
東京中央卸売市場の57年の場合(表1参照)、最高値は2月のキロ当たり499円(宮崎産)。この時、大阪で462円(宮崎産)、仙台で550円(高知産)、福岡で443円(宮崎産)。最安値は7月の119円。
最近の生産動向をみると、作付面積・収穫量ともに変動しながらも漸増傾向にある。冬夏ピーマンの59年産(今年11月~59年5月)の生産計画は57年産の実績に対し面積で2・9%、収穫量5・9%増。
ピーマンもキュウリ、トマトなどと同様に生産技術の進歩、品種改良などにより周年供給化傾向がみられる。1~4月は高知・宮崎、5~10月は茨城、11~12月は山局知・宮崎とその出回りは産地別にある程度固定しているといえます。

<参考>
小売値(57年)=卸売最高値499円の時777円、最安値119円の時283円(いずれもキロ当たり)、グラフ=価格は東京都中央卸売市場のその月中旬で卸売数量が最も多い産地の平均値。入荷量は東京都中央卸売市場。産地はその時の卸売数量が最も多い産地。

資料=全国農協中央会青果物流通統計旬報。(県南部農業改良普及所 南風原町字山川517 電話(0988)89-3515)

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大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000494-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第77号(1983年10月)
ページ 7
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/10/10
公開日