市場にならべられある数多くのピーマンの中で、名札はなくとも「佐敷町の吉田さんのもの」といわれるほどの優秀なピーマンを生産しているのが、吉田さんです。
軍作業員から転身、野菜づくり一筋。より優秀なピーマンの生産をめざして毎日を過している吉田さん。苗づくりから土壌改良、施肥の研究と、その努力は数々の共進会、振興会などの入賞となってあらわれています。
「当初は、キビ畑をつぶしてまですべきではないともアドバイスされましたし、また、生産に関する情報がまるでなかったんです。内地から野菜づくりの本をとりよせたりもしましたが、気候風土が異なる沖縄にあってはその応用もできなくたいへんでした」。
結局、吉田さんは試行錯誤を重ね経験をつみ、自ら改良に改良を重ね、そして、各方面をビックリさせるほどのピーマンづくりに成功したのです。しかし、名声を得ても吉田さんの作づけはあくまで管理のゆき届く範囲。氏の成功の秘訣がうかがえるエピソードです。
ひとつの物事に打込む人間のたくましさが感じられる吉田さん。
本土出荷をひかえ、後手後手にならぬ害虫対策などを立ててほしいと語る吉田さんでした。