本町耕地面積の3分の1を占める浜崎川流域。この浜崎川流域で町の農業の一大発展を期して、土地改良事業実施の計画が着々と進められています。
この事業の実施のためには、関係地主490名余の事業参加の同意を必要とします。町では、各地区での説明会を持ち、地区の推進員を中心に関係地主の同意を得る作業を進めています。7月末現在で同意率は80%に達しています。町は、この事業が採択されるためには98%以上の同意が必要とし、推進員に担当課以外の職員も配置し目的達成まで一丸となって取り組む体制をとっています。
現在、県内各市町村から土地改良事業を導入したいという希望が殺到しています。これは、各市町村とも第2次振興計画との関係で高率補助が受けられるうちに土地改良を実施したいという思惑があるからです。ちなみに、現在の事業費は、国県補助金が87・5%、町補助金が6・25%、地元負担金が6・25%となっています。近い将来国県の補助金が50%まで引き下げられるだろうというのが大方の予想です。
国や県が事業を実施する場合、当然地主の意志が尊重されます。
どの市町村から事業を実施するかは同意率の高い方からということになります。それで各市町村とも同意率の向上に全力をそそいでいるのです。本町においてものんびりかまえてはおれなくなりました。
もう他人の動向を見て自分は後で決めるという状況ではないように思われます。
浜崎地区土地改良事業の成否は本町全体の将来の農業を生かすか殺すかといっても過言ではありません。孫子の代の農業を発展させる意味です。
地域の環境整備です。 山城時正 町長
わが町は、近隣町村に比べ土地改良事業の進捗状況が遅れています。これはいなめない事実で、私たちは、その原因を究め反省点はすなおに受け取めなければならないと思います。しかしながら、その遅れは、浜崎地区の土地改良の実施によって一気に取りもどせるものなのです。
この事業は、第2次振計における農業関係の高率補助があるうちに実現されなければなりません。今や各市町村とも土地改良に対する関心は高まり、事業の採択を取り付けようと懸命になっています。事業に参加する地主の同意率もかなり高くないと採択されないという状況です。
この土地改良事業は、単に農地の整備だけにとどまらず、地域内の環境整備の事業へとつながっていきます。1年の遅れは時間的な遅れだけではなく、集落としての機能の向上もはかれなくなります。私たちは現在を把握し、子や孫に喜びのある農業をさせるためにも、この事業の採択に全力をつくします。
将来が期待できる事業
個でなく全体をみて 屋比久・宮城要三郎
この事業は、10億という大金をかけて、しかも町の3分の1という広大な農地の形を整えようという大事業だと聞いています。このような大事業というのは、私たちの町にとって100年に1度あるかないかの一大事業だと思います。それは、小さな町だけでできるものでもありません。どうしても国の力をかりなければできないのではないでしょうか。ですから、私たちの時代に実現させておかないと子々孫々まで迷惑をかけてしまうことになると考えています。またおこられもします。今や単に個人的な問題だけではなく、町全体、将来のことも考えて判断したいものです。
農業の発展を考えれば 佐敷・平良亀順
正直いって、今度の計画区域に含まれている私の3筆の土地は、道に面してますしそんなに不便は感じておりません。私は、その道をつくるとき180坪も土地を提供していますからね。でも、やはり奥の方にある土地の人たちは大変です。サトウキビの搬出のとき私の畑を横切ってもいいことにしています。土地改良の利点はいろいろあると思います。その中で一番大きいのは、やはりすべての農地が大きな道路に面するということではないでしょうか。昔から農家の人たちは、農道の問題で努力を重ねてきました。それが一気に解消するのですからこれ以上のことはないと思います。
次代の農業を目標に 佐敷・津波友次郎
私も長い間農業に従事してきましたが、私たち農家を長い間悩まし続けたのが排水の問題です。土地改良の推進で期待できるのはいろいろあると思いますが、私が一番期待しているのは、この排水の便がよくなるということです。私たちの世代はそれなりに苦労を重ねながら農業を営んできました。
次の世代の人たちに自分たちと同じように農業をやれといっても、おそらく無理だと思います。彼らは彼らなりに新しい農業を始めることでしょう。そのためにも、今のうちにしっかりと基盤を整備しておくことが必要ではないでしょうか。