なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

健康体操

「爽やか毎日」取り戻せ 老いも若きも健康体操
火曜日の午後2時、老人福祉センターは、元気な声がこだまして館内が熱くなります。
「生命の貯蓄体操」の実技に集まってきた婦人たちは、1、2、3の号令をかけあって、楽しく、和やかに自分の健康づくりに励みます。この健康体操のやりはじめは、だれでも、自分の身体の凝り固さに唖然とし、身体の老化を認識させられ、自覚症状はなくても半健康人……を自覚します。
そこから健康体操は出発するのです。1日1ミリ伸ばして若返ることをモットーに、はじめは、座布団を使い、そして軟かい布団の上で、次は畳の上と自分の身体に合わせて練習して行きます。身体を曲げたり、伸ばしたりと……。
それこそ、はた目には、身体の柔軟性をつくるためだけの変哲もない体操にみえます。それがいつしか自律神経を調整し、血液循環をよくして、成人病・慢性病症状等の解消に役立つのです。現在、厚生省も、その実績を認め、健康体操の普及にいよいよのりだし、本腰を入れています。
「健康な人はより健康に、半健康人はもとの健康に」を合言葉にして、健康体操さしき道場に集まってきた婦人は、17名。津波公子会長を先頭に、それぞれ都合をつけ、火曜日、老人福祉センターに集合します。この体操教室へ参加し、みんなと一緒に体操することによって疲れが吹っ飛び、さわやかな気分になります、というのがみなさんの感想。
昨年、健康体操の指導員補5名が養成されて以来、それらの人を中心にかけ声も勇ましく、健康体操がくりひろげられています。
この体操は、体を土台から治していく要(かなめ)の体操と自(みずか)ら彊(つよ)くし、病気を治す自彊(じきょう)術、2人で組んで楽しく行なえる組み体操からなっています。スポーツのように、より速く、より強く、より巧みにというものではなく、不健康だった者が毎日の日常生活において、体操を中心に健康づくりを行ない、骨格の調整や筋肉、各関節を柔軟にし極限の体操を目標に日々の努力を発揮するものです。スポーツは、若い人が多く行ないますが、この体操は、年齢を問いません。弱者、熟年、老年が目標にむかって1ミリずつ健康度を増していく体操といえます。
本町では55年から、健康教室で、この体操をとりいれ、昨年の指導員補の養成で、道場としての形ができてきたところです。これまでに、この体操を続けている内に、腰痛、肩こり、便秘症、立ちくらみを解消したり、寝つきがよくなった…等々、かなりの成果をあげています。
主管の小谷正得住民課長は「たくさんの方々が、この体操に参加して、個々の健康管理、健康づくくりに役立ててほしい。健康体操の普及に行政も力を惜しまない」と積極的姿勢をみせています。


健康体操に参加して

初老の私たち夫婦に最適な運動です。  新開 我那覇ヨシ
どんなに年をとっても健康を誇りにしたいね、と初老の域に達している私たち夫婦は、励ましあって健康体操にいそしんでいます。
健康体操との出会いは、高血圧症に悩んでいた3年前、町主催の健康教室に参加した時です。
以来今日まで、主人の協力で欠かさずに健康体操に参加しています。おかげで病院に1年ぐらい通院しても治らなかった高血圧が健康体操を始めて半年後、徐々に快方に向いました。北風が吹くと、膝とかくるぶしが痛くて歩くのも億劫だったのが、毎日の健康体操で丈夫になりました。体重も主人が82㎏から70㎏に、私が67㎏から59㎏と標準体重になりました。
知人にあうと「スマートになっなったね」といわれます。私たち夫婦は励ましあって健康体操をやる習慣をつけています。時には、きついからやめようと弱気になる時もありますが、若さを保ち、さわやかな老年をすごすために・・・と取組んでいます。

やって良かった虚弱体質を克服  新里 勢理客シゲ
健康体操を続けて1年になります。この体操が、本当にすばらしい健康法だということを、今、身にしみて感じています。
と申しますのは、健康体操をやる前の私は、内臓が弱かったため、血色も悪く、猫背で、朝起きる時足が重たく、また立ちくらみも激しく、おまけに便秘症でした。
週1回の老人福祉センターでの健康体操教室はもちろん、家でも毎日欠かさず、要の体操と自彊術を行なっていました。便秘症はいつのまにか解消し、虚弱体質からくる諸々の症状も克服していました。みんなに「血色が良くなったね」「初めのころは骨と皮という印象だったのに、カーギが出て来ているよ」などと言われたりもします。
体重も43㎏から53㎏と安定してきたし、足腰も丈夫になりました。今では自分の体に自信を持っています。
自分の健康は自分で管理する  私は、生命の貯蓄体操を通して実践しています。

あなたも挑戦しよう 「要の体操」
第1動作

用意 
図1のように、両膝を床につけ、足裏が上に向くように合わせ、あごを引き、腰を立て、脊柱を真すぐに伸ばし、姿勢を正して両手を床上におく。
動作
図2のように、力を抜き、ゆっくりと腰関節を曲げ、静かに息を吐きながら、上体を2つ折りにし(腹から前に出し、下腹、胸、アゴの順に)床につける。息を吐き終ったら、直ちに元の姿勢に戻り、20回以上続けて行なう。
注意 
胴や顔を曲げないようにし呼吸は曲げるとき呼息し、元の姿勢に戻るとき吸息する。

第2動作

用意
図3のように、両脚をそろえて伸ばし、足の先を手前60度に曲げる。上体は第1動作と同じく正しい姿勢のまま少し後にそらし両手は母指を組み合わせて膝の上。
動作
図4のように、静かに息を吐きながら力を抜き、股関節を曲げ両手を前方に突き出すと共に、上体を2つ折りにして(下腹から胸、アゴの順に)両脚の上につけるようにする。息を吐き終ったら直ちに元の姿勢に戻り、10回以上続けて行なう。
注意
呼吸要領は前動に準じ、前につき出した両腕は十分にしめて伸ばし、両掌が正面を向くようにし、上体を曲げたとき胴を丸くしないように、膝が上がらず、足先の角度がくずれぬようにすること。

第3動作

用意 
図5のように両脚を伸ばしたまま左右60度に開脚し、足の爪先を立て、上体は第1動作に同じで腰を立てる。両手は床にそろ上えておく。
動作
図6のように静かに息を吐きながら、力を抜きゆっくりと腰関節を曲げ、下腹を前につき出し(腹、胸、アゴの順)床につけるようにする。息を吐き終ったら直ちに両手をつっぱり元の姿勢に戻り、20回以上続けて行なう。
注意
呼吸要領は第一動作と同じ、上体を曲げたとき胴を丸くしないこと。膝を曲げてはならず、足の爪先を前に倒さないこと。

第4動作

用意 
図7のように正座の姿勢から両足を腰巾に開いて尻を床につけ、踵、足の指先を真すぐにする。
次に手を後につきながら上体を上向きにして徐々に寝る。両手は頭上で組み合わせ腕を真すぐに伸ばしてしめ、頭が両腕に乗るようにし両膝頭は揃えたまま垂直になる位に立てる。
動作
図8のように両膝頭をゆっくりと床上に20回打ちつけた後、20秒ぐらいつけ静止のままとする。
注意
用意姿勢のとれない人は、腰の下に座ぶとんを丸めて敷き、座れる訓練を、後に寝られない人は背中に座ぶとんなどを適当な高さに敷き練習を重ねる。完全な姿勢がとれるまで逐次高さを調節する。正常な姿勢では胴の下があまり浮かず、両膝頭は垂直に立ち、また揃えて床につけることができる。第四動作は練習を積むに従い膝打ちを50回位行なえば素晴らしい効果が得られる。

第5動作

用意 
図9のようにうつぶせの姿勢から、両腕を肩巾に垂直に立て(手先は前)腰から下は床につけたまま両脚を伸ばして両かかとを開き、足の親指を揃える。上体はできるだけそらし、顔は天井と平行になるよう上向ける。
動作
軽く反動をつけて、息をはきつつ、背申全体をそらす動作を20回以上続けて行なう。
注意 中年を過ぎた方や老人の方ほど、この用意姿勢ができませんが、最初から無理をせず動作の回数も体に合わせて練習する。背申をそらす動作のとき頭のみ振らないよう腹部を前に押し出す。

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大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000492-0021
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第75号(1983年6月)
ページ 12-15
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/06/10
公開日