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家庭 暮らし  新たな展開に向けて 無公害石ケン手づくり

佐敷町婦人会では、恵まれたふるさとの自然環境を守り、安全な暮らしを自らの手で創出する目的で、昭和四十七年十月から無公害石ケンづくり運動を展開してきました。
合成洗剤の人体に与える影響、水質汚濁などが各方面で取り上げられるなか、町婦人会でも「洗剤問題」への取組みを検討しました。
その結果、天ぷらの廃油等による無公害石ケンの手づくりに取組むことになりました。各家庭から使用済みの廃油を回復し、専門家の指導をあおぎつつ、石ケンづくりは実施されました。回を重ねるごとに各方面に反響を呼び、無公害で安全な石ケンの認識は日ごと高まってきました。また、合成洗剤の環境汚染、危険性に対する認識も広がっていきつつあります。
無公害石ケン手づくり運動は、単に洗剤の問題としてだけではなく、資源の再利用ということにもつながり、また、環境汚染の問題としても考えるべき点が数多くあり、家庭にあっても社会問題と取組むひとつの材料ともなっています。石ケンづくりを通して、様々な形での社会参加がはたされているといえます。
これまで、各地区で10数回にのぼる無公害石ケンづくりを終え、参加者の家庭は台所洗剤を含め全て自分の手づくりのものを使用しています。それまでの手あれから解放された人、子どものおむつがぶれを解消した人……と、その効果のほども報告されています。
この婦人会の洗剤問題に対する取組みは、今後、地域全般に広めていく必要があります。また、給食センター、町役場、保育所等の公共的な施設での無公害石ケンの率先使用がまたれるところです。
去る4月23日、浦添市民会館で“美しい水と命を守る合成洗剤追放沖縄大会83”が開かれ、町婦人会も参加し、地域での石ケンづくり活動を報告しました。
翌日には、日本消費者連盟の高木幸枝、山ロ泰子両氏と、沖大の山門教授を交えて佐敷町婦人会員20名余りが交流会を持ち、地域での活動のあり方、今後の取組み方などが話し合われました。
現在、佐敷町婦人会では7月3日の“婦人まつり”に向けて、石ケンづくりを6月中に農村婦人の家で実施する予定を組んでいます。
新たな1歩の始まりです。

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大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000492-0012
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第75号(1983年6月)
ページ 8-9
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/06/10
公開日