なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

佐敷金杜

最近「チープガバーメント(お金のかからない行政)」とか「スモール・イズ・ビューティフル(小さいものは美しい)」という言葉をよく耳にする。これは、近年肥大化しつつある行政機関に対する国民の願望を表わす言葉である。
納税者である国民にとっては「行政サービスを減らし、税負担を軽くしてくれ、その代り我慢しようではないか」ということである。
昭和48年ごろまでの高度経済成長期には、国民の所得も市町村の収入も年々増え、豊かであった。従って、住民の要求は安易に受け入れられ、行政に依存する結果となった。
しかし、このような時代は過ぎ、国民の所得は増えず、市町村の収入は減り、厳しい財政状況にある。
時々住民から犬や猫がひかれているから死体を片付けて欲しいとか、屋敷の周辺の側溝がつまって大雨のとき氾濫するからなんとかして欲しいという電話をもらうことがある。
昔は、屋敷の周辺の清掃から田畑山林の管理まで地主が自らやり、個人の手に負えないものは、地域で対応していた。
市町村が、現在の財政苦境から脱却し、さらに発展を続けていくには、何をすべきかという問題提起がある。そのためには市町村の事務事業を見直し、必要度、緊急性の少ないものは廃止または中止し、住民、地域でやれるものは地域住民がやるというように、住民、地域、行政がそれぞれ役割を分担していくことが大切である。住民のコンセンサスが、今、不可欠である。

 ※「佐敷金杜(さしきかなもり)」は、上城の御嶽のことです。広く大きな眼でわが郷土を観る欄という意味で、コラムの名称といたしました。執筆には、山城時正町長、宮城繁助役、宮城福光収入役の町3役が交代であたっております。

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大分類 テキスト
資料コード 008436
内容コード G000000492-0003
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第75号(1983年6月)
ページ 3
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/06/10
公開日