土地が沃肥だといわれ、生産性が高いといわれ続けてきた本町の農地ですが、調べると地力はかなり低下していました。そして、他に比べおくれている土地改良事業。いまこの二つの課題への取り組みが積極的になされようとしています。土地改良事業にとって、町の努力はもとより、その還元を大きく受ける地主に、農家に理解と協力がいま最も必要とされています。
農業近代化に拍車
津波古地区土地改良総合整備事業が着々と進展するなかにあって本町土地改良の本命ともいえる浜崎地区土地改良事業の昭和59年度採択に向けてその準備作業が進められています。
浜崎地区は、中学校の東側から冨祖崎・外間・屋比久・伊原・手登根、そして、佐敷の与原畑原、奥増原に至るおよそ百ヘクタールにも及ぶ広大な土地。本町全耕地面積の約三分の一にあたります。
現在すすめられている津波古地区が34ヘクタールですからその約三倍。
町では、すでに各部落ごとに説明会を四回以上行ないこの事業の重要性、緊急性を説いています。そして現在各地主から同意を得る作業を進めています。今その同意率は約40%。主管課である経済課では、59年度採択を確実にするためには、90%以上の同意が必要としています。しかし、これだけ広大な面積になると関係地主も多く493名にも及び一人一人同意を得るのも容易なことではないようです。
59年度にこの事業が採択されると60年着工、それから7~8年の工期を必要とします。事業費は、国・県から87.5%、町から6.25%の補助があり、地元負担は全体の6.25%です。93.75%は補助金でまかなわれるわけです。この高率補助も今や沖縄県だけの特別措置で、しかも今後10年しか補償されません。したがいまして、この事業の緊急性は、当然のこととして受けとめていただけるものと思います。
それでは、土地改良を進めることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。それは大きく次の三点にまとめられます。
①各筆とも、道路に面するようになるため、これまでの長い距離を運搬するという重労働
がなくなり、しかも農業機械の導入が可能となり、労働生産性が大きく向上します。
②分散していた幾筆かの農地をひとまとめにし、集団化するため効率的な土地利用ができ
ます。
③排水溝などを整備し、たん水の心配もなく安心して作物が作れ農業機械の作業も思うよ
うにできます。
経済課としては、何としても高率補助があるうちにこの事業を完了させたいとしており、この時期を逸するとこの事業の遂行は見込がなくなるといっても過言ではありません。それでも、津波古、浜崎地区合わせても本町全耕地面積の約半分にしかならず、残りはこの大事業と平行して他の事業として進めていきたい意向。町当局、地元の一致団結した取り組みが強く望まれます。