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いま、広がる将来への夢 デイゴ造林5年目 問われる町民の関心

昭和53年、緑化推進運動は開始されました。植樹されたデイゴは着実にその根をはっています。しかし、この事業がほんとうにその根を大地におろすのは、町民こぞっての緑化に対する関心、協力があってこそといえるでしょう。
わが佐敷町をさながらビョウブのようにして、隣接市町村と隔てている背後の丘陵、原野。この地に、デイゴの植樹が始められたのが、昭和54年の2月のことです。
緑化計画は、昭和52年に策定された「佐敷町総合計画基本構想」に基づくものです。これは、「自然を守り育てる」というところに力点をおいています。
この地は、戦前にあっても松やその他の灌木が点在するだけのところでした。それらも戦火で焼かれるところとなり、戦後は原野火災、地すべり等のたび重なる発生の地となってしまいました。
造林による緑化は、傾斜地の保全策ともなり、本事業は以降着着と進められてきました。その目的が国、県の国土保全・緑化計画と合致するところとなり、補助も得られ、今後ますますの進展が期待できるところです。年度別にその事業推進の状況をみてみますと
○53年度2ha 5千本 
○54年度9・02ha 1万3千500本
○55年度17・1ha 2万5千650本 
○56年度9ha 1万3千500本 
○57年度 6・24㎞ 1万5千392本(デイゴ+モクマオウ)
となっています。59年の第一次5カ年計画の終了時点では、9万4千72本の一大デイゴ林が生まれることになっています。
現在、まだ植えつけられた苗木の成長段階でもあり、今後の手入れや町民の町緑化に対する理解がより以上に必要と考えられます。
将来計画の中には、漆器産業への貢献や世界のデイゴ品種の植えつけも行ない、遊歩道を設けて、「町民の憩いの森」なども含められています。
緑が少ないといわれる中南部地域において、このような緑化、造林事業が進められていることはたいへん有意義なことです。わが町のこの事業は、今や他市町村に波及しており、その意味でも今後の在り方が問われるところです。
しかし、まだ行政ベースで進められている事業の感は否めず、緑化造林事業への町民の積極参加が待たれます。20年先、30年後を考えた「緑あふれるふるさとづくり」の意識の具体化が、今こそ必要といえるでしょう。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000480-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第73号(1983年2月)
ページ 2
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1983/02/22
公開日