現在、わが国には国民年金をはじめいろいろな年金制度があります。しかし、その仕組みや給付の受け方となると案外知られていないようです。そこで、今回は”年金の種類とうけられる要件”についてのべてみたいと思います。
老齢年金
国民年金の加入者が老年齢に達し、次の①②の要件を満たしたとき支給されます。
うけられる要件
①保険料をおさめた期間と免除をうけた期間とがあわせて25年以上あること
②65歳以上に達したこと
なお、この25年という期間は、昭和5年4月1日以前に生まれた人には、その人の年齢によって、(表1)のように10年から24年に短縮されております。
年金額
年金額は、(式(イ))の計算式で計算されますが、25年間保険料納付の場合にあてはめると、例のようになり、月額4万7千125円の年金が支給されることになります。
年金額支給の繰上げ・繰下げ
年齢年金をうける資格のある人は、希望によって60歳から繰上げて年金をうけることができます。
しかし、この場合の年金額は42%~11%減額され、その減額された年金を一生うけることになります。また、年齢を繰り下げて増額された年金をうけることもできます。
特例による老齢年金
大正5年4月1日以前に生まれた人については、保険料をおさめた期間が1年以上あり、これと保険料を免除された期間を合算した期間が、年齢に応じて4年から7年をこえていれば、特例による老齢年金が65歳から支給されます。
高齢者の優遇措置
25年という年金の資格期間が、10年から24年に短縮されている、(表1)の年齢層の人は、短縮された期間によって計算した年金額は、かなり低くなってしまいますので、これらの人については、特別な加算が行なわれることになっています。
加算分の計算方法は(式(ロ))のとおりです。
これを、昭和36年に高齢者で任意加入した10年年金グループ(明治39年4月2日から明治44年4月1日までの間に生まれた人)が10年間保険料をおさめた場合にあてはめて年金額を計算しますと、月額2万9千791円(57年8月以降)の年金が支給されます。
5年年金の年金額
10年年金グループと同年齢の人で、5年年金制度に加入した人の年金額(56年7月以降)は、次のとおりです。
定額30万4千300円(月額2万5千358円)