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全国で初めて住民情報システムを導入 「住印票」を自動検索

本町では、全国で始めてという「リナック1500システム」による住民情報システムを導入し8月1日より可動を開始しました。このシステムは、漢字コンピューターと「住印票」の自動検索機をオンライン化したもので、これによって、住民票等の検索から証明書の作成、交付が正確、迅速に処理されることになります。また、各種住民情報関係の統計資料や該当者名簿が漢字処理で作成できるようになりました。しかもこのシステムは職員の手で、異動処理が簡単に即時処理できるので、常に最新の住民データーが得られます。このシステムの導入によって、単に窓口事務の改善にとどまらず、役場の全体的な事務改善が図られるものと大きな期待が寄せられています。

これまでの窓口
窓口業務の中心的な事務のひとつである住民票と印鑑証明の原票は、改善前までは、それぞれ住民票の専用ビジブルと印鑑票の専用キャビネットで別々に管理されていました。そのため、住民票、印鑑票ともに、原票の検索に時間がかかり、窓ロサービスの向上のための決め手となる迅速な証明の交付がむずかしい状況にありました。さらに、住民票と印鑑票を別々に保管することから、そのためのスペースが必要となり、職場の空間をますます狭くしておりました。
このほか、改善前の窓口事務では、原票の返戻や二重登録、各種統計や名簿の作成に多大な手間がかかるなどの問題がありました。
例えば、原票の返戻ひとつとってみても、使用した住民票などの返戻には細心の注意を払ってはいるものの、多くの関係課職員が取扱うことから、返戻を間違い原票が行方不明となる恐れがあったのです。さらに原票を直接引出して使用することから、原票のき損汚損を避けることができないなどの問題もありました。印鑑登録の二重防止についても、これまで、住民票でチェックはしているものの、現実に同印影を2人の住民が登録していた事例があったほどで。
また、選挙人名簿など、各種名簿の作成は、これまでは手作業に頼らざるを得ず、このため大変な手間がかかり、しかも、見落しの恐れもありました。そして、異動事由別人口統計表など住民情報を基にした最新の各種統計表の作成も複雑高度化する行政運営をより計画的に行うためにも、その作成が強く望まれているにもかかわらずそれも手作業のため作成には限界がありました。

コンピューターの導入で改善
このように、町は、これまで住民票交付、印鑑証明や各種名簿、統計資料の作成で多くの問題、課題をかかえていたわけです。そこで、これらの問題、課題を解消するとともに、今後ともに、複雑多様化することが予想される行政需要に迅速かつ正確に対処、一層の住民サービスの向上を図るため、新システムの導入に踏み切ったもの。
今回の事務改善の目標を次のようにかかげています。
①住民票、印鑑証明の交付を自動検索機を導入することによって町民の待時間を短縮しサービスの向上を図る
②住民票と印鑑票を同一の原票にすることにより、空間の効果的利用と整理を図る。
③コンピューターと漢字プリンターによって異動処理を直接職員が行う。
④住民記録の電算化により、今まで手作業でやっていた各種統計表や各種該当者名簿の作成が手早くできる。

即時処理で常に最新の住民情報 町議選挙で早くもフル活用

新システムは、漢字コンピューターと自動検索機のオンラインシステムで、約2万人分の住民データーの即時処理と、住民票、印鑑票を統一した「住印票」の保管と自動検索ができる機能を備えています。しかも、住民異動データーの即時処理が、コンピューターの専門知識がない職員の手で、簡単に操作できる点が大きな特徴です。
このため、常に最新の状況下の住民情報を関係各課の職員が把握・利用できます。
では、証明書交付の具体的な流れを順を追ってみてみましょう。
住民票の写しの交付の場合は、まず、ディスプレイ(キーボード付表示装置)で申請者の氏名をキーイン、該当者の番号を検索する。同姓同名の人がいる場合は、ディスプレイ画面に同時に表示される生年月日、住所で該当者を特定します。そして、該当者を確認したあと、「リナック」キーをキーインすると、目的の住民票(住印票)が入ったジャケットが、セレクターから自動的に検索されます。
この住民票をジャケットに入れたまま「住民票用オーバーレイ」にセットし、コピーすると複写機に連動した自動認証機で、公印と日付けが自動的に捺印されて、鮮明な住民票の写しが作成されます。
なお、ジャケットを保管・自動検索するセレクターは、ランダム検索となっていることから、使用後に返戻位置をまちがえても、次の検索に何ら支障は生じません。
また、住民票はオーバーレイにセットしたまま写しが1人用か全世帯用かによって、B5かB4サイズレバーを切替えるだけで、各写しが作成されます。
印鑑登録証明書の交付の場合は、住民が持参した印鑑登録証(カード)を、コントローラに挿入するだけで、目的の印鑑票(住印票)の入ったジャケットが、セレクタから自動生に検索されます。このあとは、住民票の写しの場合と同様、 「印鑑用オーバーレイ」にセットし、コピーするだけで印鑑登録証明書が作成できます。
そして、この方式で住民・印鑑証明書を作成すれば、これらの全行程を含めても約1分間程度で作成が可能となり、証明書交付の待時間は大幅に縮小され、その分、住民サービスの向上が図られます。
一方、各種統計表や該当者名簿の作成も、操作性の優れた簡易なシステムとなっています。例えば、住民情報では、必ずキーインしなければならない入力項目は、ひとつの入力項目を登録し終えないと次の項目に進めなくなっており、入力漏れがチェックされ異動処理の場合も、異動事由に合せて入力すべき項目が表示されるので、安心して正確な異動処理が行えるシステムとなっています。

印鑑登録証の切りかえについて
町では、コンピューターの導入に伴い印鑑登録証の様式をかえることにしています。御面倒ですが指定された日までに交換してください。
一、持参すべきもの
  登録印鑑、登録証
一期間
  昭和58年3月31日まで
  代理人でも可能です

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000488-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第70号(1982年9月)
ページ 2
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1982/09/15
公開日