佐敷町長 山城時正
決意を新たに難問に対処
明けましておめでとうございます。
佐敷町誕生以来二度目の新年を迎えました。町民の皆様には、ご家族おそろいでさわやかな新春をお迎えのことと存じます。
心からお喜び申しあげます。
昨年の町長選挙では、町民各位をはじめ各方面から力強いご支援とご厚情をいただき、三選の栄に浴し、引き続き町政を担当することになりました。ここに改めて厚くお礼申しあげます。
私自身もまことに光栄に感じると同時に、町民の皆様の町政に対する期待とそれに伴なう責任の重大なことを思うとき身のひきしまる思いがいたします。
私は、昭和57年の年頭にあたり、初心にかえり、新しい気持ちで、今後の町政を町民と共に力を合わせて取り組み町民の信頼に応えていきたいと決意を新たにしております。
さて、佐敷町は、昭和55年6月の町制施行以来、更に町としての機能の充実強化を図り誇りある住みよい町を造ろうという町民各位の熱意と行動に支えられて「活力ある郷土づくり」に邁進してまいりました。しかしながら、私たちを取りまく状勢は決してなまやさしいものではありません。かって私どもは、行く年を忘れ、来る年に新たな決意と希望をたくして正月を迎えました。しかし、現代は、積み残された問題の処理解決に追いたてられながら正月を迎えなければならないのが実情のようです。
世界へ目を転ずると、イランイラク戦争によって、国際石油危機は、ますます悪化の一途をたどり、中南米やポーランド情勢も予断をゆるさない状況にあります。また、1970年代に始まった世界不況は、80年代に入って慢性化しており、加えて、日本の輸出の拡大は、アメリカやEC諸国との間に自動車をはじめとする激しい貿易摩擦を引きおこしています。
一方、国内では、国や地方自治体の行財政改革のため、臨時財政調査会の報告に基づいて、その実施が図られています。沖縄県においても、「沖縄県復帰特別措置法」の期限切れがおしせまっている中にあって「第二次振興開発計画」の策定が急がれているのであります。
このような、国際関係や国内政治、経済の動きは、佐敷町の行財政にも大きな影響をおよぼし、昨年は、打ち続くインフレと不況により、町民生活は圧迫を受け、地方財政の危機的様相が更に深刻化の一途をたどるなかで暮れたのであります。
こうした状況で迎えた昭和57年は、佐敷町にとって極めて重要な年になると思います。
すなわち、去年から継続している馬天小学校の建設、農業基盤を強化するための土地改良総合整備事業、冨祖崎公園の整備事業、健康づくり推進事業などをさらに推進しなければなりません。そして、中央公民館、役場庁舎の建設という大きな事業への取り組みも開始しなければなりません。
こうした、教育、社会福祉の充実、生活関連施設の増強等、住民の日常生活に不可欠な諸行政については一日たりともゆるがせに出来るものではないのであります。
同時に危機に直面している地方財政について、当面の対策はもとより将来にわたる確固たる基盤を確立し、もって佐敷町の発展を期するためには、格段の努力が必要であると痛感いたす次第です。
今年も、「自らの手による自らの住みよい町づくり」の実現のため、町民の皆様が、町政に深い関心を寄せられ、御協力と御理解をいただき、積極的に参加されるよう切望いたします。
昭和57年が町民の皆様にとりまして幸せな年でありますようお祈り申しあげまして、新年のごあいさつといたいます。
佐敷町議会議長 知念慶得
和をもって町政の推進へ
昭和57年の輝かしい年頭にあたりつつしんで新年のごあいさつを申し上げます。
町民の皆様あけましておめでとうございます。今年もよい年でありますように皆様とともに念願するものであります。
さて、不肖私、議長の要職を授かって以来任期四年目の新春を迎えました。
その間、微力ながらも円滑なる議会運営と町政の進展を期して誠心誠意懸命の努力を傾注してまいったつもりでございます。おかげをもちまして大過なく年を越すことができました。これもひとえに町民各位のご支援とご協力の賜物であると心から感謝の意を表する次第であります。
顧みますれば一昨年6月親しみなじんだ村制から町制へ移行して、一年半の歳月が流れました。月日の経つのは実に早いものでございます。その後、佐敷町はそのイメージも手伝ってすべてが一段と活気を呈し、日々発展、繁栄の一途をたどりつつありますことはご同慶に堪えません。
それから、昨年は厳しい財政の中で諸々の事業を推進してまいりました。その中でも特筆されることは小学校の分離新設であったものと想起されます。この大事業の実現のためには執行機関(教育委員会)と議決機関がお互いけん制しながらも相い協力して一丸となって取組んでまいりました。そこで大変困難を予想されていた用地の買収でございましたが、地域の関係地主の方々の深いご理解とご協力によって先祖代々から受継がれた尊い土地を譲っていただいたことに対し深甚なる敬意を表する次第であります。おかげをもちましてその目的が達成し今や槌音も高く建設が進められていますことは町民が周知するところであります。
この学校が完成することによって、次代を担う児童達が新装なった学校で学習や馬天港を一眺に見下ろす運動場で伸び伸びと運動ができて将来への人材育成に大いにその使命が発揮されるものと大きく期待を寄せるものであります。これもひとえに町民皆様のご理解とご協力の賜であり、町行政運営のよろしきを得た結果であるものと存じます。ところでこの小学校の分離新設を進める中で場所の選定(決定)、また校区の設定等でいろいろと問題がありましたが町民はもとより関係校区区民のご理解のもとに円満に解決を見たのであります。
また、新聞にも報じられたように新開地内の町有地を有効に利用するため整備を計画されていましたが、町体育協会をはじめ7団体からこれが決定については今一度慎重を期してもらいたいという陳情がありましたので双方共に数回にわたり話し合いを行ない一致点を見い出しましたので、計画から一部変更をして円満に解決されたのであります。
それから、本町の町民生活の安定と尚一層の福祉増進を図るには幾多のなすべき事業が山積しております。まず、公有水面の埋め立てによる公共用地の確保、役場庁舎の移転新築、産業の基盤整備、公共施設の建設等一段と努力しなければならないと存じます。しかしながら、現今の地方財政は厳しく、特に臨時財政調査会の報告にもとづいて実施される行財政改革は、地方財政に大きく影響をおよぼすことが予想されます。そこで、私達は、この状況を認識し、財政の効率的運用に意を配り、住民全体を代表する機関として住民の意向が議会を通じて行政に反映されるよう尽力する所存であります。
どうか今年も旧に倍して一層のご協力とご助言をお願い申し上げますとともに町民各位がご健康で犬年のほえる力強い音声とともに希望が叶えられる最良の年でありますよう祈念して新年のごあいさつといたします。