いろはガルタの一枚目は、ご存じ「犬も歩けば棒にあたる」
これは「物ごとをなそうとする者は、それだけ災難に会うことも多い」という意味とも「やっているうちには、思いがけない幸運に会うこともある」という意味だともいわれています。
今年は、戌(イヌ)年。どちらの解釈をとるにしても、慎重な心配りのもとに積極的な努力を惜しまず、開運間違いなし-といきたいものです。
犬といえば、知恵、勇気、誠実の代名詞のような動物。「桃太郎」や「花咲爺」に登場するのも、そういう犬たちです。また遠く『日本書記』には、白犬が倒れた主人を守って餓死するまでそばを離れず、その心を哀れんで、主人と並べて墓に葬られたという、忠犬ハチ公の先祖みたいな話が記録されています。
そんなはるかな昔から、犬は人間の大切な“協力者”だったわけです。いまも狩猟犬、牧羊犬をはじめ、新しいところでは盲導犬、救助犬、警察犬などとして優れた能力を発揮しています。
しかし、今日では、犬の主な役目は愛玩用、“ペット元禄”と呼ばれるほどで、犬専用の目薬やビタミン剤、シャンプーまで店頭に並んでいます。
ところで、妊産婦の帯祝いに 「戌の日」が選はれるように、犬は安産・多産の象徴になっています。では、イヌ年生まれの人はどのくらいいるかといいますと、意外に少なく全国でざっと874万人。日本の総人口を十二支別に分けてみますと11番目になります。ちなみに最も多いのがサル年生れの人で約1036万人、いちばん少ないのがトリ年の約836万人です。
そんなわけで、十二支も一種の“生活美学”とみれば、なかなか趣深いものです。犬の特徴にあやかって、ことしもすばらしい年にしたいものですが「一犬虚に吠(ほ)ゆれば万犬実に伝う」のことわざもあります。
自分の目で事実を見定め、自分の心で判断するように心がけ軽々しい付和雷同は避けたいものですね。