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全国青年大会からの報告 女子バスケットボールチーム健闘 佐敷町青年連合会

11月7日、午前5時25分「打倒山梨ファイト、オー」勇ましいかけ声と共にフトンを就っての起床である。試合に賭ける彼女達の気迫は最高潮にあった。第一試合(午前9時)という早い試合開始時間、そして会場の東京都立夢の島総合体育館に到着したのが7時半である。少しでも早く体を動かして試合に備えるために一番最初に会場に到着したのに待てど暮らせど玄関が開いてくれなくては……それに当日は、小雨模様で気温7度という肌寒い天候であった。しかし、若い選手達(平均20才)は、この寒さを吹き飛ばすかのように試合前の緊張感さえ忘れてしまう程リラックスしていた。玄関で待つこと1時間20分「裏の入口から入るように」という大会役員の不手際があったが、定刻開始ということになり十分な練習もできない状態で試合開始の笛が鳴った。初戦の相手は、山梨県代表、スタメンの平均身長が県代表の我が佐敷青年会を4、5センチ上回っていた。試合は一進一退の白熱した試合になっていく。スピードに勝る佐敷が終始山梨を押し気味でゲームは進んでいるがどうしてもディフェンスで相手との接触があるためにファールも多くなり苦しい状態で前半16対12で折り返した。後半も残り12分までは緊迫した試合展開となった。しかし、体が暖たまりエンジンがかかった残り7分からスパートをかけ連続2ゴールで山梨を44対30でふり切った瞬間、念願の初の勝利に飛び上って喜んだ。そして早くも気持ちは午後からの二回戦同じ九州勢の熊本県代表との対戦である。山梨よりもはるかに身長が高く選手達は不安もあったが自分達よりも背の高い山梨を下したのが自信になったのかウォーミングアップも十分に行い持ち前の若さで元気よく声を出したまではよかったがあまりの元気のよさに他府県の選手らに注目されてしまった。試合はスタートから熊本がリードしそれを追いかけるという形で進行していった。身長のハンディを動きでカバーする戦法のためにどうしてもファールが多い。
それにスピードのある攻めに相手の熊本もそれに合せて動くので一時は7ゴール近くもリードされていたが粘りに粘って除々に差を縮めて前半26対20で後半に望みをつないだ。そして、ハーフタイムで攻撃の確認と長身者をマークするなど注意して後半に望んだ。試合巧者の熊本はなかなか点差を縮めさせてくれなかった。「あと1ゴールで同点……」というときに続けざまにゴールされてこちらの勢いをつぶしてしまうのがたびたびあった。しかし、前半からかなりスピードのある動きをしている佐敷のペースに、そろそろついて来れなくスタミナ切れが目立ってきた残り4分やっと同点に追いついた。ゲームの流れが佐敷の方へ傾きかかった時、連続3ゴールをミスしたのがきっかけで選手が焦ってしまいリードを奪われて結局47対38で試合終了となった。同点にした時点で連続ゴールのチャンスを生かせなかったのと、チームの若さが敗因にあげられる。しかし、9月からの厳しい練習に耐え全国大会という大きな大会で、沖縄チーム初の一勝(今大会でベストー6強入り)をもたらすことができたことに対し選手を賞賛したい。そして、9月からチームの指導を引き受け、練習の厳しさ、苦しさを選手と共に乗り越えてきた佐小の金城先生、津波古の山入端、与那嶺、嶺井、佐敷の吉田君の影の力も忘れてはならない。
最後に、私達のために派遣費として、補助金を出していただいた山城町長を始め、カンパに協力して下さった町民の皆さん企業の方々、誠にありがどうございました。今後とも尚一層の御指導、御鞭達を賜わりますようよろしくお願い申し上げます。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000483-0006
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第66号(1981年12月)
ページ 2
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1981/12/05
公開日