この写真は、昭和15年の3月頃だったと思います。私達が佐敷尋常高等小学校6年生を、もうすぐ卒業という時で、場所は職員室の前の築山のところです。なぜ、女性徒だけなのかは、残念ながら覚えていません。
何名かの生徒がブッソーゲの花を手にしているのは、別に理由があるわけではなく、ひとつのおしゃれだったのでしょう。当時、学校敷地の県道側(北側)には、ブッソーゲが垣根として植え込まれていましたから。
多くの生徒が着けている上着は当時の制服で、卒業記念の写真はほとんどの生徒が制服を着用していたと思います。
だいたい1学年3クラス編制で高等科は2クラスでした。
昭和15年というと、紀元2600年ということで、いろいろな行事がありました。日支事変が昭和12年に始まり、その頃から出征軍人の壮行会も小学校の運動場で行なわれるようになりました。
村民も生徒も多数集まり勇ましく送りだしていったのです。それから、しばらくの間は勝ちイクサのような状態が続いていたのでしょうか、私達も日本が負けるはずはないと思っていたものです。しかし、だんだんと世の中があわただしくなり、ほとんどの男生徒が軍人にあこがれ、女生徒は銃後奉仕ということで、いまでいう保育所の保母のような役割が与えられていったのです。(写真提供 高江洲八重子さん)