なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

ムダづかいよりは心づかいを 冠婚葬祭の簡素化を呼びかけ 佐敷町新生活推進協議会

婦人会が切実なる訴え 物価高騰の中で家計へ大きな影響

佐敷町新生活推進協議会では、12月15日に会合をもち、最近ハデになりつつある冠婚葬祭を簡素化していく運動を積極的に推進していくことを確認しました。
社会経済は、高度経済成長時代に別れを告げ、物質的豊かさの追求の時代から、質を追求する時代へと変遷しつつある中にあってそれとはうらはらに、華美になっていく、祝いごとを反省し、歯止めをかけようというもの。
会合には、協議会に加盟する9団体の代表のほか、町や県の生活福祉部県民生活課の職員も参加、その助言をあおぎながら活発な論議がかわされました。
協議会では、昭和52年に、冠婚葬祭の簡素化をはかるために「記念品を廃し、祝儀や香料を統一すること」、を決め、その運動を展開してきました。関係者の努力と町民の理解と協力のたまものでこの運動も定着するかにみえましたが、戦後30年余となり、戦没者の三十三年忌が行なわれるようになってから、また、引出物が出るようになり、金額も多くなってきたという指摘がなされました。
会場からは、三十三年忌が落ちついたらまた下火になるのではないかという発言がありましたが、やはり、家計をあずかる主婦にとっては深測な問題。みんなで決めた記念品廃止と祝儀、香料の統一を再度呼びかけ、冠婚葬祭の簡素化の運動を強力に進めていくことになりました。
また婦人会から、正月に子供達に与えるお年玉も、最近の物価高騰で、もらう子供たちも額高だけを問題にして、純粋な「心」を受けとめてくれなくなったとして、お年玉の金額も統一したほうがいいのではないかとの発言がありました。ちなみに、婦人会の総会で決めたお年玉の額は、小学生300円、中学生以上が500円です。

婦人会より町民の皆様へ なくそうミエやムダ
佐敷町では、昭和52年5月に新生活運動推進協議会を結成「みんなでムダな出費をなくし、よりよい生活を築きましょう。」というスローガンのもとに冠婚葬祭を簡素化し、祝儀、香料の金額を定め、お返しは、「しない」「もらわない」ということを9団体参加のもとに確認をしました。
これは、町内の各家庭のアンケート調査の結果89%という高い支持を背景にとり決めたものでした。
その後、各団体、町民の皆様の御理解と御協力のおかげで、この運動を績極的に進めることができ、大きな成果をあげることができました。
しかしながら、最近の状況をみると、また、もとにもどりつつあるような気がしてなりません。
家計をあずかる私たち婦人にとって、諸物価の値上がりは、日常生活への大きなしわ寄せとなってはねかえってくる昨今、生活の簡素化は、切実な問題として浮かびあがってきているのです。私たちは、冠婚葬祭における、祝儀、香料の額のみや、お返しがあるかなしかで、お互いの心まで判断できるものではないと思います。大切なのは、私たちが心から祝い、悲しむ気持ちをあらわし、伝えることではないでしょうか。他人がするから私もという考え方や、ミエのみで行動することは、このきびしい社会情勢の中にあって、この際なくすように心がけなければなりません。
この問題は、婦人会の総会でも、毎年提起され、論議されているのですが、どうも婦人会だけの取りくみだけでは、どうしようない点があるようです。
そこで、婦人会では、町や県へもお願いをして、新生活運動の推進団体の皆様にお集まりいただいて、まずは冠婚葬祭の簡素化についてあらためて、話しあい、確認をしていってはどうかと提起をしたのであります。
今度の懇談会でも、さまざまな観点から意見が出されたわけですが、結局は、お互いが勇気をもってこの運動に取りくまないかぎり、進展はないことが確認されました。そして、今後、あらゆる機会を利用して、家庭や地域で話しあいをもつことになりました。
私たち婦人会も、昨今のこの異常な物価上昇、資源エネルギー問題に対処するため、まずは自分たちの生活のムダをなくそうと日夜努力を続けています。
町民の皆様の御理解と御協力を呼びかけいたします。

※みんなで、ムダな出費をなくし、よりよい生活を築きましょう!

佐敷町新生活運動推進団体
佐敷町婦人会・佐敷町老人クラブ
佐敷町青年連合会・佐敷町遺族会
佐敷町農協婦人会・佐敷町役場
佐敷町生活改善グループ・佐敷町農協
佐敷町区長会

ダウンロード
大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000478-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第62号(1981年1月)
ページ 4
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1981/01/01
公開日