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国と郷土を考える 国勢調査のはなし①  なぜ「10月1日」なのか

10月1日は何の日でしょう? 赤い羽根共同募金の始まる日、法の日、新幹線の開業記念日それに、大事なことがもうひとつ、ことしは5年に1度の「国勢調査」の日です。国勢調査は、ことしで13回目を迎えましたが、大正9年の第1回以来、ずっと10月1日に行われてきました。この大規模な調査を実施するにあたって、1年365日―ことしは1日多いですが―のうちで、10月1日を選んだ理由はなんだったのでしょうか。
気候のよい秋だから―いいえ違います。その辺の事情について、大正9年の第1回調査の報告書を見てみましょう。
まず、年末・年始ですが、この時期は「取引の決算、年賀の風習がある」うえ、地域によっては「積雪が深く不適当」。また、夏は「炎熱が激しく」これまた適さない。残るは春と秋ですが、春は「旅行・遊山する人が多い」ので調査期としてふさわしくない。こうしたことから「人々の職業的活動が盛んで、全人口の大半を占める農業従事者にとっては、かならずしも農繁期ではなく、かつ一年の四分の三を経過した10月1日」に決めたということです。
なるほど、とうなずける話ですが、他にもう一説あって、4月から始まる会計年度の中央の日であることから、調査結果は“年度の平均値”として、行政上の利用に便利だから、といういずれにしても、大正9年以来13回、毎回10月1日に行われてきたということは、やはりわたしたち国民の暮らしのリズムからいっても、国勢調査の日として“最もふさわしい日”ということなのでしょう。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000477-0010
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第61号(1980年7月)
ページ 4
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1980/07/20
公開日