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この道五十年 竹細工の勢理客さん 南部振興会で表彰

「近頃は、伝統的な手づくりの作品が見なおされるようになり、竹細工に関心をもつ人もふえてきました。とてもうれしいことです。いま、わたしが一番望むことは後継者が出てほしいということです。とくに若い人には竹細工にもっと関心をもってもらいたいし、自分もやってみようという人も出てもらいたいのです。まずは、自分の仕事の合間に竹細工に親しむということでかまわないのですが…」
南部振興会から文化部門で表彰された11歳で竹細工を始めてこの道一筋の勢理客幸英さん(67=新里)は、「こんな立派なものをいただけるなんて、みなさんのおかげです。」と笑みをみせて語ってくれました。
勢理客さんが、竹細工を始めたのが11歳のころだというから今年で56年目になります。そのころは、親兄弟や、部落の大人たちは自分で使うパーキを自分で作る技術をもっていたそうで、それに、隣の小谷部落は竹細工の産地として県下に名を知られており、周囲がそんな状況であったから、勢理客さんも11、2歳のころには、すでにバーキ類をつくれるようになっていたそうです。
勢理客さんが、竹細工を本格的に始めたのが昭和4年、小谷で開かれた沖縄で始めての竹細工講習会に参加してから。その後、高度な技術を身につけるために鹿児島に渡り、そこでは主に染色技術を習得したそうです。
鹿児島での研修を終え帰ってからは、竹製品を百貨店に出したり、昭和12年の全国竹製品共進会で”花かご”が銀賞を獲得、さらに県農会主催の農業共進会(昭和18)では、竹細工の実演をし、出品作品が一等に入賞するなどの活躍をなされました。
また、最近では、昭和50年日本民芸振興展で受賞、そして昭和52年には、沖縄県産業デザインコンクールで沖縄工業連合会賞を受賞するなど、積極的な創作活動をつづけています。
現在は、創作のかたわら、教育委員会の主催する竹細工講習会の講師をつとめるなど、後輩の指導にも力をそそいでいる勢理客さんです。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000477-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第61号(1980年7月)
ページ 1
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1980/07/20
公開日