新しい町づくりへ 佐敷村長 山城時正
村民のみなさん、あけましておめでとうございます。
1980年代の幕明けともいうべきこの新春を迎えるにあたり、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
ご承知のとおり、昭和54年もまた、長期不況に起因する失業、雇用不安がひきつづき、エネルギー問題がクローズアップされ、さして好転することもなく新年をむかえました。
このような状況にあって、佐敷村政発展のために村民のみなさんが、村政のあらゆる面にわたり、積極的なご協力をいただき感謝申しあげる次第であります。
今年は、1980年代の幕明けの年であると同時に、佐敷村にとって、佐敷町へと昇格する記念すべき年でもあります。今年はさらに、すべての村民が明るく住みよいまちづくりのために、村政、町政に積極的に参加していただきますよう年のはじめにお願い申し上げます。
さて、わたしたちをとりまく経済情勢は、今日なお依然として厳しいものがありますが、このような低経済成長時代の中にあって、地方財政の危機は一層深刻化しており、ときあたかも地方の時代、地域の時代といわれつつも、国の地方財政対策がいまだ不十分なため、昨年の地方財政も困難な立場におかれました。このような長期不況の中にあっても、わたしが、施政方針でかかげました村民福祉の充実、生活環境、教育環境の整備産業の充実という4つの基本施策を着々と進めることができましたことは、村民並びに議員各位の積極的なご協力とご理解の賜であり衷心よりあつくお礼申しあげます。
昨年をふりかえってみまするに 佐敷村にとって大きな事業は、何といっても、老人福祉センターの着工であります。これは、今年の3月には完成する予定ですが、総工費2億円、建物面積1,151平方メートルにも及ぶこのセンターは他に類を見ないものであります。同センターが完成すると、老人の方々に対するボランティアの場として、また、老人の方々には機能回復訓練、教養の向上、レクレーションの場としておおいに活用できるものと思います。
また、昨年の9月に村内に唯一の病院が開院したことも特筆すべきことでありましょう。これは、村の積極的な誘致に普天間稔先生が応じてくれたもので今後、地域の医療機関として、その役目を十分はたしうるものと思います。
そのほか、佐敷小学校のプールの建設、中学校特別教室の増築、冨祖崎公園第二期工事、土地改良事業、農業構造改善事業等、財政的には苦しいながらも着々と新しい佐敷村づくりにまい進できた昭和54年でした 十年一昔といわれます。わたくしたちは、この節目の第一歩を新しく、佐敷町として踏みだすことになったわけです。輝ける80年代のためにそして、佐敷町のために、わたくしたちは、気を新たにし、さらに努力を続けていかなければなりません。
佐敷町として新しく出発するこの昭和55年、1980年の年頭にあたり、明るく住みよいまちづくりのために、倍旧のご協力を賜わりますようお願い申しあげ、新年のごあいさつといたします。
町として再出発へ 佐敷村議会議長 知念慶得
村民の皆様、あけましておめでとうございます。皆様もお元気で輝かしい新年をお迎えになったこととお慶びを申しあげ、ここにつつしんで新年のごあいさつを申し上げます。
さて、「一年の計は元旦にあり」と申されますが、年の始めに当り、どなた様も大きな希望を抱かれて、この一年の計をお立てになったことと存じます。
私達議会人も、村民の皆様が日常豊かな生活ができ明るい日々を送ることができますよう、意を新たにして村政推進のために鋭意努力する所存であります。顧みますれば今年は復帰から8年目の新年を迎えました。
その間皆様には佐敷村政進展のためにご助言ご協力を賜わりお蔭をもちまして復期前に優る発展を見ましたことは、まことに感謝に堪えません。各部落内の環境も完全ではありませんが改善されましたし、一応清潔で住みよい佐敷村の形成はできたものと存じます。
しかし、その他やるべき事業が山積していますことは周知のとおりでございまして、まず、「公共施設の建設」「道路」「漁港」「産業基盤」「教育施設」「公園」等、その他の施設は、積極的な方針を立てて適切な整備を図らねばならないと存じます。
そこで、昨年度の事業として現在老人福祉センター(特A型)の工事が槌音高く進められているのをはじめ、冨祖崎公園の二期工事も着々と順調に進んでおり、また、中学校校舎の増築(三階)、小学校プールの新設工事等徐々に発展への一途をたどりつつありますことは村民皆様とともにご同慶に堪えません。それから、皆様既にご承知のように本年6月1日を期して町制への移行が施行されることになっていますが、これも時代の進展に伴うものと申しましょうか、永年呼び慣れた佐敷村は一段昇格して佐敷町にその名称が変わることにたり、昇格とはいえ名ごり惜しい気もいたします そこで、村から町へ昇格するからには町としての価値を発揮するようなそれ相当の内容の充実が伴わなければならないと思います。例えば町昇格への記念事業なるものもありましょう。
われわれ議会としてこれが推進に鋭意努力を傾注する所存であります。このように記念すべき大事業が施行されることによって今後の佐敷町としての誇りと自信をもって名実共にふさわしく町の発展が期待できるものだと信じます。
これからの地方自治体は、豊かな地域社会の建設に取組み、縁起のよい1980年代の「8」の如くに末廓がりで佐敷町が発展し、80年代を誇り得る輝かしい時代に一層の努力をしなければならないと決意を新たにしているところでございます。
議決機関たるわれわれ議会は、常に執行機関を監視し、また批判しながら車の両輪のように前進し「一歩離れて、二歩離れず」という合言葉の如く調和のとれた村政を推進し、諸々の計画に最大の効果が上がるよう尽力する覚悟であります。
ところで、今年も旧に倍して終始公正に9000人余村民の信託に応えるべく村(町)政の諸問題を慎重に審議し、村民各位のご期待に副うよう努力する決意でありますのでどうか、今年もより一層のご助言とご協力を賜わりますようお願いいたしますと共に、村民各位がご健康で諸事叶えられる幸が訪れる最良の年でありますよう祈念申し上げまして、新年のごあいさつといたします。