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ねたきり老人の健康診査に加わって 大城ヨシ子

今年も村の主催で、佐敷村のねたきり老人の健康診査が琉大成人病教室の古見耕一先生の協力を得て、11月12日から19日までの5日間にわたって行なわれました。
昭和51年から継続されている事業で今年で4年目になります。今年から私もその巡廻診療に同行させていただきました。殆んどの老人が褥創(床ずれ)もなく、清潔にされ、明るい部屋で家庭のあたたかい雰囲気の中で大事にされて過していることを知り安心いたしました。同時に介護にあたっている方々の並々ならぬご苦労とご努力を感じました。
今年の健診の内容は、一般健康診査と、福祉手当を受けるために必要な診断書作成のための検診も同時に行なわれ、一挙にできるようきめ細かい配慮がなされた健診でした。他の地区では、まだこの様にはすすめられていませんし、しかも、専門の先生が継続して健診にあたっている佐敷村は大変恵まれていると思います。
ねたきり老人になる原因は、①脳卒中 ②リウマチ神経痛 ③高血圧 ④心臓病などいろいろな原因が重なりあっていると思います。佐敷村の今年の結果はまだでていませんが、去年の健診結果の医師の総評を調べてみると、受診者30人(男12人、女18人)でその内容は、①検査の結果や身体的には心配ないのでとにかく動くように心がけて下さいと医師の助言があった。②治療しながらできるだけ動くように歩行訓練をすすめられた。③本人が食事のまちがった制限のしすぎで栄養にアンバランスがあると指摘された。約三分の二の方々ができるだけ、動かすように、すすめられていました。古見先生のお話では年々良くなってきているが、まだまだ機能訓練をすれば、回復可能な方もあり、自分のことがひとつでも多くできるように家族の協力と、それぞれ個人差はあるがあまり大事にされすぎて残された機能を奪い、ダメにしないように援助が必要、ねたきり老人の治療と予防には、病気の治療のために薬や注射に頼らず自分でも努力することが大切ですと指摘しています。また、病気が落着いたら一日も早く床離れをしてもらう。そして、自分でできるような身のまわりのことは自分でしてもらうこと、中でも一番大切なことは、お年寄り自身が回復への意欲をもつことで、まわりの家族の励ましやときには慰めて、欲を出させる愛情が大切です。
最後に日夜ねたきり老人の介護にあたっている方々には腰部を使う動作が多いので足腰を痛めないようご自分の健康管理にも十分留意されることを願います。
(那覇保健所佐敷駐在)

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000475-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第59号(1979年10月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1979/12/20
公開日