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佐敷村史 村民の主体的参加を 編集の基本計画まとまる

佐敷村史編集委員会(瀬底正俊委員長)は、昭和52年5月発足以来、「佐敷村史」の編集業務に着手してきましたが、このほど「佐敷村史編集の基本計画」を発表しました。
同計画によると「佐敷村史」を編集することになった動機として「佐敷村誌」は、昭和39年に出版され、当時としては、まさに画期的な企画であり、それなりの評価も受けたとしながら、その後佐敷村は、あらゆる面で進展をとげ、今日的に「佐敷村誌」は、けして十分ではないとしている。
さらに、これまでの市町村史のあり方、方法を根本的に問い直す機運が高まりつつある中で、今こそ現在の科学水準を踏まえ、かつ「佐敷村誌」も抱含した、総合的見地から佐敷村の歴史を整理していくことが必要な時だと強調しています。
同基本計画の中で特に注目されるのは、佐敷村史編集の基本方針。 その内容は次のとおりです。

佐敷村史編集の基本方針
佐敷村の歴史を、村民の立場から考え、客観的に記述することによって、佐敷村の現在を問い、未来を展望する資料とする。
(1)村民がつくる村史
村民の主体的な参加によって村史をつくる。
(2)庶民の歴史
佐敷村の歴史をつくりあげ、支えてきた民衆のあゆみを大切にした村史にする。
(3)科学的、客観的資(史)料に基づいた村史
研究史料として活用できる村史にする。
(4)親しみのもてる村史
A村民が気軽に読めるわかりやすい村史にする。
B学校教育、社会教育の教材として活用できる村史にする。
(5)既刊の村誌と新しい村史
既刊の村誌の意義を積極的に評価したうえで、それを参考にして新しい村史を編集する。
(6)「史」と「誌」
「史」の中には「誌」も含まれるという視点に立って、こんどの新しい村史編集にあたっ
ては「史」に統一する。
(7)記述の範囲
記述の範囲は、佐敷村域にとどめず、村民の歴史との関わりのある周辺地域ひいては、沖
縄全域をも視野に入れる。
(8)地域資(史)料の発掘、収集と整理、保存
できうるかぎり、村内外の関係資(史)料の発掘、収集につとめ、整理、保存する。
⑨内容、形式ともユニークな村 史をめざす。
このような視点にもとづいて、「佐敷村史」を編集していくことになりますが、編別構
成は、下のような計画になります。

第一巻、通史編・各論編
【通史編】総論、前近代、近代、現代
【各論編】総論、自然、行財政、産業、交通、通信、運輸、教育、文化、人口動態、社会福祉、保健、衛生、警察、消防、各字略誌

第二巻、民俗編・資料編
【民俗編】総論、社会生活、家族、親族、生業、交易、交通、通信、運輸、衣、食、住、人の一生、年中行事、信仰、民俗芸能、娯楽、遊戯、口頭伝承、言語
【資料編】史料、統計、体験、人物、日誌、地図、写真、アンケート、考古資料、新聞、雑誌、文献目録

なお、この編別構成は、いわば大綱であって、さらに村史づくりの作業が進めば、整理統合、あるいは新設されるということです。
このように、科学的でかつ村民に親しみのもてる村史づくりが今着々と進められています。そのための調査研究には多くの村民の参加と時間を必要としています。
今後、資(史)料の収集等で、村民の協力をぜひ必要とすることがたくさんでてくると思います。
佐敷村民のすべてが共有する歴史として「佐敷村史」づくりはすすめていきたいものです。それは、今やらなければ、年々貴重な資(史)料が失われていくことを考えればなおさらのことなのです。
編集委員会では、「佐敷村史」をつくるうえで重要な資料として昔の写真や家譜などを集めています。みなさんがおもちの写真、その他、村史の資(史)料となりそうなものがありましたら提供していただけませんか。総務課内村史編集委員会事務局(電話7-6211)までご一報下さい。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000474-0006
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第58号(1979年10月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1979/10/25
公開日