なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

医療・福祉の2つの施設が完成 普天間内科医院・つきしろ学園

普天間内科
9月、村内で唯一の病院が完成しました。それは、村の積極的な誘致にこたえた普天間内科医院(院長普天間稔)で津波古の県道沿いに9月20日開院しました。
長い間、無医村で通してきただけに関係者の喜びもひとしお、普天間医師は、さっそく、佐敷小中校の校医もひきうけ医療業務を開始、地域医療のため貢献しようとおおいにはりきっています。
普天間医師は、津波古の出身で内科・小児科が専門、佐敷小中学校、知念高校を経て、岡山大学医学部を昭和36年に卒業、沖縄へ帰って8年間沖縄赤十字病院へ勤務された。昭和47年に那覇で開業したが、このほど、村当局のさそいや知人友人のすすめもあって、故郷で開業することになったもの。
普天間医師は、「たくさんの人に請われて自分が働けるところがあれば、それ以上のことはないと思って佐敷村で開業することになりました。大病院なみとはいわないまでも、一応いろいろな状況に対応できる設備はととのえたつもりです。今後は、住民の皆さんと密接なかかわりをもち、長期的に、村の医療のためにつくしたい。」
と開業の抱負を語っていました。
なお、普天間医院では、村出身の看護婦さんを採用したいとのことです。心あたりの方は、直接病院へ連絡して下さい。

つきしろ学園
社会福祉法人、つきしろ福祉会(仲本興成理事長)の精神薄弱者授産施設「つきしろ学園」(新垣太敬園長)が、新里の県道を登りつめた高台に完成、10月1日に開園しました。
同学園は、雇用されることが困難な精神薄弱者を入園させ、必要な訓練を実施するほか、職業を与えて自活させることを目的として設立されたもの。
沖縄県においては、福祉施設の整備は急務とされながらも、他府県に比べてその格差は大きいものがありました。県内には5千名余の精神薄弱者がいるものと推定され、そのうち、授産施設に収容し学習、訓練が必要とされる対象者は、200名近くとみられます。こうした精神薄弱者の収容授産施設の設置は、関係者から強く要望されていました。
学園では、現在18歳から54歳までの42名の園生たちが寝食を共にし、毎月の日課にしたがって生活指導、作業指導、学習指導を受けています。同学園の特徴は、授産科目の中に農業科を設けていること。4500坪の農場を有しています。
新垣園長は、「本学園では、園生たちが常によく食べ、よく働きよく眠るをモットーに明るく楽しく生活しています。私たちの任務は彼らが健康で安全に生活できるような環境をつくってやることです。物心両面の条件を整えてやることが必要なのです。」と話しています。入所手続きは、福祉事務所で受けつけています。

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大分類 テキスト
資料コード 008435
内容コード G000000474-0005
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第58号(1979年10月)
ページ 2
年代区分 1970年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1979/10/25
公開日